【巨人】岡本、10戦ぶり3号2ラン 右手死球も「余裕です」

スポーツ報知
1回1死一塁、岡本が左中間に3号2ランを放つ(カメラ・関口 俊明)

◆巨人10―2広島(13日・東京ドーム)

 巨人の岡本が10試合ぶりの3号2ランで打線に火をつけた。初回、4番マギーの勝ち越し打に岡本がアーチで続き、中井にも1号ソロが飛び出して一挙5点の猛打ショー。5回にはマギーが2戦連続弾を放ち、今季初の1試合3発、11安打で今季最多タイの10得点を挙げた。昨季7勝18敗と苦しんだ広島に大勝。ようやく連敗のトンネルを脱出した。

 高く、高く、舞い上がった打球が、左中間席へ吸い込まれる。鳴りやまない大歓声を全身に浴びながら、岡本は悠然とダイヤモンドを一周。ホームインとともに思わず笑みがこぼれた。初回、1点を勝ち越し、なおも1死一塁。カウント1ストライクから、野村の真ん中に入ってきたカットボールを仕留め、今季3号2ランを放った。

 開幕3戦目の1日の阪神戦(東京D)で逆転3ランを放って以来、自身10戦ぶりとなる一発の手応えを聞かれ「(スタンドに)いったかなと思いました。初球から振りにいったことが、(2球目で)いい結果につながったんだと思います」。5回の打席で右手甲付近に死球を受けたことで6回の守備から途中交代となったが、与えられた役割はしっかりと果たした。

 重圧も力に変えた。前日12日のDeNA戦(東京D)ではプロ入り初の5番でスタメン出場し、ゲレーロ、マギーとともに中軸を形成した。しかし、結果は3打数無安打で、チームは6連敗。試合後は悔しさを胸にブルペンに直行し、日課となっている素振りを黙々と繰り返した。一夜で悔しさを晴らし「流れで打たせてもらった。初回に打ててよかった」。岡本の一発に触発されるように打線は3本塁打を含む11安打10点で、今季2度目の2ケタ得点。広島との初戦を前に全体ミーティングを行った効果もあり、大勝した。

 「4番」の経験が4年目の覚醒につながった。昨年7月、阿部や元広島・前田智らを強打者に育てた内田巡回打撃コーチが配置転換で2軍監督に就任すると、「4番」の座を託された。名伯楽から口酸っぱく言われたことは「とにかく自分のスイングをするんだ」―。この助言を忘れず、今季はオープン戦から好調を維持。「2軍でしっかりやってきたことが今につながっている」と自ら分析している。

 開幕前には内田コーチから「頑張れ。ただ、隙は見せるなよ」との伝言を受け、「隙は見せません。今年は最後まで気を引き締めてプレーすると決めているんです」と応じた。頼もしさも加わり、今ではチームに欠かせない存在となった。

 試合後は死球を受けた患部の状態を聞かれたが「余裕です」と笑顔。若きスラッガーの豪快な一振りが、チームに8日ぶりの白星を運んだ。(後藤 亮太)

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