【巨人】沢村→マシソン→カミネロ!USA解体後初そろい踏み完封リレー

スポーツ報知
6回1死満塁、大山を投ゴロ併殺に打ち取った沢村は雄たけびを上げてガッツポーズする(右は三塁走者・ロサリオ=カメラ・関口 俊明)

◆阪神0―3巨人(21日・甲子園)

 ほえた。沢村は感情を爆発させた。6回1死満塁。大山へのフルカウントからの8球目は、143キロのスプリット。タイミングを外され、力ない打球が目の前に転がった。「ああいう場面で監督、コーチが送り出してくれた期待に応えたいだけでした」。冷静に処理して捕手・小林へ送球。一塁・岡本へと転送され、併殺が完成すると、右こぶしを力の限り握りしめた。

 14日の広島戦(東京D)以来、中6日でのマウンドは、6回無死一、二塁というしびれる場面だった。原口を四球で歩かせた。満塁。「力んでしまったけど、力むなと言われても難しい場面」。心の中で自分に言い聞かせ、腹をくくった。

 最速154キロを計測した直球でどんどん攻めた。糸原を力ない中飛に。大山も投ゴロ併殺に仕留めて危機を断った。続く7回も簡単に3人で片付け、2回を無安打無失点。相手に傾きかけた試合の流れを止め、チーム今季初の完封勝利の立役者となった。「田口も頑張っていたし、勝ちをつけてあげたかった」と大粒の汗をぬぐった。由伸監督も「球自体は力強いものが元々あるし、ストッパーをしていた投手だから。苦しい場面でも経験があるからね」と信頼を寄せた。

 勝利の方程式もリスタートを切った。8回はマシソン、9回はカミネロがそれぞれ1安打を許したものの、無失点で虎打線を封じた。開幕から勝利の方程式「USA」を形成したが、上原が2試合連続3失点と不調に陥ったため、首脳陣は15日の広島戦(東京D)後に勝ちパターンから外すことを決断。それ以来、初の沢村、マシソン、カミネロそろい踏みだ。今後もこの3人か、と問われた指揮官は「それはその日によってだね。今日はこの3人が踏ん張ってくれた」と話すにとどめた。開幕前に話していた「(力のある救援投手は)多ければ、多いほどいい」のも変わらぬ本音。上原が復調し、再び強固な方程式に加わる日を待っている。

 沢村はこの日の今季9登板目で、早くも3度目のイニングまたぎとなった。毎試合肩をつくるだけに疲労との闘いにもなるが「チームが求めてくれるんで」と意気に感じている。「1人が頑張っても勝てない。チームプレーですし、誰かが失敗したら、誰かがカバーする」とチームワークを強調する。苦しんできたシーズンの潮目が変わる予感がする。(西村 茂展)

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