【巨人】田口「ほっ」今季４戦目で１勝

◆阪神０―３巨人（２１日・甲子園）

　感謝と反省を込め、田口はぺこりと頭を下げた。３点リードの６回に先頭のロサリオに左越え二塁打、福留に死球を与え無死一、二塁で交代が告げられた。「沢村さんに申し訳ないと思いました。もっともっと投げたかった」。ベンチに下がっても最前列で声を上げた。沢村が１死満塁を０点で切り抜けると絶叫。ハイタッチの先頭に立ち、先輩を出迎えた。

　つかんだ今季初白星。毎回走者を許したが、虎打線に屈しなかった。３点リードの５回２死一塁では糸井を外角低めの直球で見逃し三振。５回０／３を７安打無失点。「（勝って）ほっとしてます。野手の方、沢村さんに助けてもらいました」とうなずいた。

　開幕から３戦で０勝１敗と苦しんだ。先発投手は投げてから約１週間ほど、リズムをつくるためランニングなどで調整する。だが、田口は「もっと良くなりたい。こうしたいというのが常にある。周りを見ていろんな発見、反省もあるので」とレベルアップの期間と位置づける。

　その中で過去３戦の投球を振り返り、抑えようと力みがあることに気づいた。豊田投手コーチと相談し、通常のキャッチボールだけではなく、一塁から三塁へのスローイングも行った。距離が少し長くなれば、力んでいては届かない。かといって単に長い距離のキャッチボールではマウンドと同じ投球動作にはならない。考えた末の練習を豊田コーチは「指先の感覚という部分にもつながってる」と説明した。徐々に感覚を取り戻し「スライダーも直球もよくなっている」と手応えを口にした。

　斎藤投手総合コーチも「良かったね。一つ勝てば今後はうまくいくはず。６、７回までいくと思いますよ」と変わらぬ期待を寄せる。「次は長いイニング投げられるように。もっと信頼されるようになりたい」と左腕は控えめに笑った。（玉寄　穂波）