【巨人】“甲子園の申し子”岡本、バックスクリーン弾!「まさか入るとは」

スポーツ報知
5回無死二、三塁、岡本が中越え4号3ランを放つ(カメラ・関口 俊明)

◆阪神1―10巨人(22日・甲子園)

 これぞ甲子園の申し子だ。巨人・岡本が伝統の一戦で3安打4打点の大暴れ。打点を18とし、リーグトップに躍り出た。4回に2日連続のV打となる勝ち越し打を放つと、5回には甲子園でのプロ1軍初アーチとなるバックスクリーンへの4号3ランで突き放した。負けじとゲレーロ、亀井も猛打賞の活躍。4回には打者一巡の猛攻と16安打10点で猛虎に打ち勝った。チームは今季2度目の3連勝。甲子園での3連戦3連勝は2年ぶり。阪神戦は5連勝だ。

 甲子園を照らす太陽に、高く上がった白球がよく映えた。岡本の打球は風をものともせず、バックスクリーンへ飛び込んだ。「芯で捉えたんですけど、逆風だったので。まさか入るとは思わなかった。よかったです」。3点リードの5回無死二、三塁。高橋遥の高め142キロストレートをはじき返した。7試合ぶりの一発は、ダメ押しの3ラン。岡本が一発をたたき込んだ試合は、今季4戦全勝だ。

 突破口をこじ開けたのも背番号25だった。同点に追いついた4回、なおも1死三塁から中前へ運び、2試合連続の決勝打。「外野フライでもいい場面。内野前進守備でしたし、強い打球を打とうと思っていました」。5打数3安打4打点。今季の巨人は相手先発が左腕の試合は5戦5敗と苦しんできたが、岡本のバットで打破。4本塁打、18打点で堂々のチーム2冠に立つ。

 開幕から着実に数字を積み上げる中、さらに自信を深めるきっかけがあった。17日、DeNA戦(新潟)の試合前練習中。グラウンドで顔を合わせた筒香にあいさつすると「いい形で打てている」と太鼓判を押された。岡本は「リップサービスか、そうじゃなければ冗談だと思いますけど…」と照れ笑いするが、憧れのスラッガーから認められ、奮い立たないはずがない。

 1年前に味わった屈辱も、岡本の原動力になっている。昨季は初めて開幕スタメンを勝ち取るも、12試合で打率2割2分7厘、0発。4月21日に2軍降格を言い渡された。「日付もはっきり覚えています。あの悔しさがあるから、今年はしがみついてでも1軍で戦い続けたい」。あれから366日、降格危機とは無縁の活躍で鬼門を突破した。

 智弁学園3年のセンバツ初戦で2本塁打を放ち、星稜時代の松井秀喜と肩を並べた。その1本目もバックスクリーンだった。いわば甲子園の申し子。「スタンドが低くて、グラウンドが上にある独特な球場。プレーしていて、宙に浮いているような感じ。(高校時代に)甲子園で通算打率5割(12打数6安打)というのも覚えています」。聖地に愛された男は7回無死一塁でも右前打を放ち、今季3度目の猛打賞をマークした。

 岡本に引っ張られるように、打者一巡あり、2度の4連打ありと、先発野手全員の16安打で阪神を沈め、今季初の同一カード3連勝となった。高橋監督も「(走者が)たまったところでの一発は大きかった。風がある中でバックスクリーンに入ったし、その前のタイムリーも勝負強さが出て非常によかった」と称賛した。巨人新時代の大砲が、まばゆく輝きを放っている。(尾形 圭亮)

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