【巨人】ゲレーロ、4回同点打に8回「完璧」3号!4月3発で昨季超え

スポーツ報知
5回、岡本の3ランで生還し、ナインとタッチするゲレーロ(カメラ・中島 傑)

◆阪神1―10巨人(22日・甲子園)

 時が止まったようだった。ゲレーロの“軽打”に甲子園が一瞬、静まり返った。1点を追う4回無死二塁。2ストライクからの3球目、高橋遥の外角高め145キロの速球を鋭く振り抜いた。打球は測ったように一塁線を破った。同点の二塁打に「追い込まれたので、コンパクトスイングを心がけた。1点でも欲しいところだったからね。自然に反応できた」と胸を張った。主砲の一打を呼び水に岡本が、亀井が、小林が畳みかけるように適時打を浴びせ、打者一巡4得点の猛攻となった。

 らしさを見せつけたのは8回だ。先頭で打席に立つと、1ストライクから岡本の甘く入ったスライダーを捉えた。代名詞とも言える高い放物線を描いて、白球が左翼席中段に舞い落ちる。とどめを刺す3号ソロ。「感触は完璧」。ベンチに戻っても両手を突き上げるガッツポーズで喜びを表したほどの自画自賛弾だった。

 5回の中前安打も含めて、今季初の猛打賞となる3安打2打点の活躍。21日は4打数無安打に終わり、連続試合安打も9で止まっていただけに「ストレス発散できた? 確かにそうですね」とニンマリと笑った。

 豪快なアーチと明るいキャラクターで、奔放すぎる性格にも思われるが、細かい気配りができる男だ。17日のDeNA戦(新潟)で先制の2号ソロを放った。その際に「第1生還者賞」としてお米を贈られたが、打撃投手陣に気前よくプレゼントした。毎日のように、自慢の打撃を下支えしてくれる裏方への感謝を忘れない。

 35発で本塁打王に輝いた中日での昨季も、実は4月は2本塁打にとどまった。「今年はもう3本目だよ」。今季は開幕から60打席目でようやく巨人移籍後1号を放つなど、スロースタートを指摘されていたが、すでに“自己新ペース”でアーチ量産を開始している。チームの浮上気配とともに、G砲のバットも快音を奏で始めた。(西村 茂展)

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