【巨人】鉄腕・山口俊、雨中の連続完投勝利「考えていることと体の動きが一致している」

スポーツ報知
2試合連続の完投勝利で3勝目を挙げた山口俊。試合後、笑顔で子供たちの頭をなでた(カメラ・竜田 卓)

◆巨人3―1中日(24日・長野)

 巨人は、山口俊が2戦連続完投勝利を挙げ、今季初の4連勝を決めた。試合のなかった阪神を勝率で抜き、単独3位に浮上した。山口俊は2回に一発を浴びたものの、その後は7回まで無安打投球を披露。2回に自ら決勝打も放ち、3安打1失点で開幕から無傷の3勝目をマークした。

 確信を持って強気に腕を振った。一発出れば同点という状況でも、山口俊の攻める姿勢は不変だった。2点リードの9回2死一塁、打席には絶好調の4番・モヤ。内角高め速球でファウルを打たせて追い込むと、低めスプリットで一ゴロに打ち取って試合を締めた。

 「状態が良くて投げミスしないという自信があったので、どんどんインコースにいけました。誠司(捕手の小林)もそれを感じてくれていたんだと思います」

 14奪三振2失点で完投した17日のDeNA戦(新潟)に続く地方球場。初回から最後まで雨がやまず、「地方独特の低いマウンドで1イニングごとにぬかるんできた。軸足に体重を乗せて突っ込まないように投げました」。2回の平田のソロ以降7回まで無安打。124球で9回を投げきった。

 ここまで無傷の3連勝、防御率2・03。好調の要因の一つが精神面の充実だ。昨年7月の暴力トラブルによる出場停止の借りを返そうと、相当な決意で臨む今年は、大事なカード初戦を任される。それでも、必要以上に重圧や責任を背負わないように心がけている。

 「(自身の)勝ち負けは自分の力ではコントロールできないですから。カード初戦でも3戦目でも、やることは変わらないですし、自分ができることをしっかりやっていくだけです」

 DeNA時代はピンチでメンタル面の弱さを指摘されたこともあった。今は違う。疲労回復に良いビタミンB1をゼリーやサプリメントで補給するなど登板間の準備に全力を注ぎ、マウンドに上がれば雑念を捨てて集中する。「考えていることと体の動きが一致している」と独り相撲と無縁の安定感で、野手の信頼は投げるたびに深まる。

 プロ通算2本塁打を誇るバットでも、2回に柳から移籍後初打点となる決勝の左前適時打。ベンチは大盛り上がりで、「振ったら当たりました」と笑った。

 由伸監督は「一人で投げてくれると大きい。コンディションが悪い中、粘り強くいい投球をしてくれた」とたたえた。菅野、田口、野上に続き全て先発に白星がついてチームは今季初の4連勝、単独3位に浮上した。「できすぎです。気を引き締めて調整します」と山口俊。土砂降りの長野で鉄腕ぶりを発揮した。(片岡 優帆)

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