【巨人】小林がついに首位打者！「今の状態を忘れずに」

◆巨人３―１中日（２４日・長野）

　雨を切り裂く痛烈な打球が右前で弾んだ。２点リードの８回先頭。小林が三ツ間の直球をはじき返し、今季６度目のマルチ安打を記録した。これで規定打席に到達し、驚異の打率３割７分５厘でリーグトップに躍り出た。試合後は「たまたまです。一打席一打席なんで。自分を信じて、コーチのアドバイスを信じてやるだけです」と振り返ったが、間違いなく打撃面で成長の跡を示している。

　由伸監督の起用にもしっかりと応えた。プロ入りから打順は８番、９番が定位置だったが、この日は５年目で初めて７番で起用された。すると２回２死一塁から左前安打で好機を拡大し、続く立岡、山口俊の連続適時打を呼び込んだ。これには指揮官も「調子がいいねえ、小林は」と評価した。

　昨季は打率２割６厘で規定打席到達者の中で１２球団ワーストだったが、これでこの日のセ・リーグランキングのトップには小林の名前が刻まれた。村田ヘッドコーチは「（表を）写真で撮っておいた方がいいよ。２０試合以上終わって１位に立つのは偶然ではない。春の珍事が夏の珍事まで続いてほしい」と、驚きを隠さなかった。

　それでも、小林は「（打率は）いずれ下がる時が来ると思うけど、そういうときに今の状態を忘れずに日々頑張っていきたい」と気を引き締めた。着実に成長を続けてきた背番号２２が、少しずつ強打の捕手に近づいてきている（後藤　亮太）