【巨人】広島相手に初戦勝利から4連続惜敗…先発が試合作り雪辱できる力ある

スポーツ報知
7回無死、見逃し三振に倒れた岡本(捕手・会沢=カメラ・石田 順平)

◆広島3―2巨人(3日・マツダスタジアム)

 巨人が2戦連続逆転負けで3位に後退した。打線は2回に小林の2点二塁打で先取点を奪ったが、6回1死二塁の好機で3番・ゲレーロ、4番・マギーが凡退。先発・吉川光は5回1失点と粘るも、6回に沢村が同点に追いつかれ、8回はマシソンが失策絡みで勝ち越し点を献上した。昨年、7勝18敗と完敗だった広島と今年は僅差に持ち込みながら4連敗。宿敵倒さずして優勝はなし。果たして、現状の差は…。

 次の1点が、勝負の分かれ目だった。2―1で迎えた6回1死二塁。3番のゲレーロが左飛、マギーが中飛に倒れた。先頭・坂本勇がヒットで出て、吉川尚が送りバントでつくったチャンスを逸し、流れは傾いた。その裏、継投へと切り替えると、沢村が同点とされ、8回にマシソンが失策がらみで決勝点を奪われた。裏目裏目となった結果にもどかしさを感じつつ、由伸監督は会見場に向かった。

 「いつもいつも打つことは簡単なことではない。でも、打順の流れ的にはそういう形が一番確率がいい。わざわざ、その(3、4番に回す)選択をしたんだけどね。それで結果が出なかったので。しょうがないといったらあれだけど…」

 8連勝中に計69点も奪った打線だが、しょせんは“水もの”だ。「接戦をいかに勝ち取るか」が根本にある指揮官にとって、2戦連続逆転負けは悔しさが募った。「接戦? そういうところを取らないと、急には去年の差は埋まらないだろうからね」。ここまで宿敵相手に1勝4敗。2点差が1試合で3試合が1点差と僅差で敗れており、「そこを勝ち切ることを何か考えないといけない」とも加えた。

 ただ、これだけは言える。強がりでもない。7勝18敗を喫した昨年との差は、全く感じない。

 開幕前、指揮官は「去年はシーズンの最初にかなり打たれてしまった。出足でね。そこで戦いづらさが出た。攻撃だけでなく、最初の戦い方が大事」と挙げていたが、今季は5試合で19失点。開幕3連戦で29失点した17年シーズンに比べれば、先発陣が試合をつくれている。この日は1失点の吉川光を5回で代えた。2―1から次の1点を奪うため、試合を動かそうとしたベンチの積極策であり“継投失敗”は結果論である。

 攻撃面については「明らかに長打力、走力の違いが数字に出ている。そこを埋めるために、考えないといけない」とも話していた。現在、広島の27本塁打に対して21発。盗塁はカープの20個に10個と負けているが、打率は約3分も上回っている。オフェンスの差は埋まりつつあり、あとはチャンスでの「あと1本」。頼りの主軸が封じられては通常の敗戦パターンである。

 広島にリベンジできるだけのチーム力は備わっている。それは指揮官の表情からもうかがえた。今は1勝4敗だが、シーズンはまだ始まったばかり。逆に楽しみが広がった“マツダ決戦”だったが、村田ヘッド兼バッテリーコーチの言葉には重みがあった。「競り勝たないと。広島に勝たないと優勝はないんだから」(水井 基博)

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