【巨人】“ハマスタの申し子”大城、チーム史上5人目の新人捕手で猛打賞

スポーツ報知
こどもの日に3安打猛打賞の活躍をした大城は、こいのぼりを手にガッツポーズ(カメラ・矢口 亨)

◆DeNA3―8巨人(5日・横浜)

 巨人のドラフト3位ルーキー・大城が2打席連続タイムリーを含む3安打2打点の大暴れ。プロ初の猛打賞をマークし、5月初白星に貢献した。巨人の新人捕手で猛打賞を記録したのは史上5人目。20試合ぶりにスタメンマスクをかぶると、先発・田口を好リード。チームの連敗を止め、こどもの日にハマスタへと集結したちびっこG党に笑顔をもたらした。田口は7回2失点で2勝目。6日には野上が先発し、今季のDeNA戦で初のカード勝ち越しを狙う。

 こいのぼりを手にしながら、大城は左翼席のG党の大歓声に笑顔で応えた。20試合ぶりのスタメン起用に応え、初の猛打賞となる3安打2打点の大活躍。「初球から振りにいったことが、猛打賞につながりました」。初めてのヒーローインタビューに初々しく答えた。

 緊張とは無縁の積極性が、結果につながった。2回。長野の適時打で先制し、なおも無死一、三塁。1打席目、さらに初対戦のウィーランドという状況だったが、「自分の持ち味」と初球からバットを振り抜き、二塁手と中堅手の間にポトリと落ちる適時打を放った。「『落ちろ!』と思いながら一塁ベースへ走りました」と笑みを浮かべた。

 さらに5点リードの3回2死二塁では右越えの適時二塁打。6回先頭では左腕・砂田の外角スライダーを捉える右前打と3打席連続安打。4月8日のヤクルト戦(神宮)を最後にスタメンから離れていたが、その後も代打などで出場を重ねており、「経験させてもらっていたので、今日もすんなり入れた」と振り返った。

 役割もしっかりと果たした。この日の先発・田口は開幕から5試合に先発し、1勝1敗、防御率7・43と波に乗れていなかった。大城の起用理由について由伸監督は「普通に戦力だから」と話すにとどめたが、村田ヘッドコーチは「監督が(田口の)気分転換もあって使ってくれたんだと思う」と推測。期待通り、緩急を織り交ぜたリードで左腕を7回2失点の好投へ導いた。「ミット目がけてコントロールよく投げてくれたので、試合を作ることができた」とサウスポーをたたえた。

 大城にとってハマスタは原点だ。中学2、3年時に、2歳上で東海大相模に在籍していた兄・昌士さんの夏の神奈川大会決勝を応援するため、沖縄から両親、双子の兄・建二さんとともに訪れた。2年連続で決勝で敗れた姿を見届けたが、昌士さんの「野球をするなら相模がいい」という勧めもあり、双子そろって同じ道に進むことを決断した。

 自身は3年生として迎えた10年夏、ハマスタでの横浜との決勝に「4番・捕手」としてスタメン出場すると、5打数3安打で同校33年ぶりとなる夏の甲子園出場に貢献した。あれから8年。プロとしても3安打で“横浜撃破”の原動力となり「初めてという感じはなかったですし、やりづらさはなかったですね」とうなずいた。

 この日はこどもの日ということもあり、スタンドには多くの野球少年少女の姿があった。「自分も小さい頃は野球選手を目指してきたので、目標に向かって頑張ってください」とエール。チームは連敗を2で止め、5月初勝利。その立役者は間違いなくルーキー・大城だった。(後藤 亮太)

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