【巨人】「ジャイアンツはすごいんだ」田口、野球少年に見せた今季最多7回2失点で2勝目

スポーツ報知
DeNA打線に力投する田口。7回を2失点に抑え2勝目を挙げた(カメラ・矢口 亨)

◆DeNA3―8巨人(5日・横浜)

 積み重ねてきた練習を信じて腕を振った。初回1死一、二塁。田口は4番・ロペスを外角低めのチェンジアップで空振り三振に打ち取った。「意外に投げられたなと思います。そういう球を続けていかないといけないです」。最も得意なスライダーではなく、落ちる球を選んで成功。この日最大のピンチで先取点を与えなかったことが、味方の大量得点につながった。

 試合前の時点で今季は5登板、防御率7・43。4失点以上が3度あり、最長6イニングだった。直球のキレを出すため、登板間の調整では東京Dの無人の客席で階段ダッシュを繰り返したこともあった。技術面では「自分は曲がり球の投手なので、チェンジアップだったり、そういう球をもっと練習していかないと」とキャッチボールで落ちる球の精度アップに努めた。

 初勝利を挙げた4月21日の阪神戦(甲子園)も6回途中無失点で交代。「信頼されていないということ。もっと長いイニングを投げられるようにしないといけない」と喜ぶ様子を見せず、貪欲にレベルアップを求めてきた。この日は2本のソロを浴びたが、走者がいる場面を抑えて今季最長7回2失点で2勝目。少しずつ鍛錬が結果に結びついてきた。

 こどもの日のハマスタには、巨人のユニホームを着た子どもたちも多くいた。田口は広島出身。カープジュニアでもプレーした小学生の頃は、黒田博樹投手に憧れ、野球選手の投げ方や打ち方をまねする少年だった。その中でも「ジャイアンツは強いというイメージで過ごしてきた」と当時を振り返る。この日は、「何とか僕も、巨人というチームはすごいんだ、と思ってもらえるようにしたい」という思いを白球に込めた。

 自らも3回の打席で適時打を放ち、打線は3回までで7得点。大量援護を受け、こいのぼりのように、スイスイとアウトを重ねた。由伸監督は「(先発の)柱の1本だと思っている。これからも、しっかり投げてくれれば」と期待を寄せた。

 斎藤投手総合コーチが、87球での7回交代に「本来の田口かといったらまだまだ」と話したように、昨年13勝を挙げた左腕の本領発揮はこれからだ。「次は1イニングでも多く投げられるようにしたいです」と満足せず、上を見据えていた。(片岡 優帆)

巨人

×