【巨人】坂本勇「僕のミス」併殺一転先制点献上…由伸監督、悔しい「こっちが勝手にあげた3点」

スポーツ報知
打てず守れずの完敗に険しい表情でグラウンドを見つめる高橋監督(カメラ・中島 傑)

◆巨人0―9阪神(8日・東京ドーム)

 巨人は先発の山口俊が2戦連続KO。5四死球と制球が定まらず、相手先発の秋山にタイムリーと1号ソロを浴びるなど、5回7失点で今季2敗目を喫した。2回に坂本勇の失策が絡んで3点を失ったのも痛かった。好調だった打線は5安打で、今季3度目の完封負け。5月に入って1勝4敗1分けと負けが込み、勝率5割で貯金がなくなった。

 珍しく、歯切れは悪かった。2回にいきなり3点を“プレゼント”しては、ベンチはなす術(すべ)もない。先発の山口俊の制球難に、坂本勇の痛いミス。0―9の一方的な展開を招き、由伸監督は「まあ、そうだねえ…。何か、ねえ…。こっちが勝手にあげた3点になってしまったのでね。その流れではちょっとね、だいぶ良くなかったよね」。

 その2回、1死満塁だった。梅野の二塁ベース寄りへの打球を吉川尚が捕球。流れのまま右手でトスしたが、勇人はタイミングを合わせられず、グラブの脇をすり抜けていった。併殺で無失点で終わるはずが一転、先制点を献上。井端内野守備走塁コーチはこう説明した。

 「どっちが悪いと言ったら吉川。ベース付近でバックトスはいけない。坂本に一度はボールを見せないと。目いっぱいのプレーではないんだから」

 1月の自主トレから2人は行動を共にし、連係を磨いてきた。詳細はどうあれ、勇人に捕れない送球ではない。だから、勇人自身も猛省した。 もっともピンチを作ったのは山口俊だ。3連続四死球の自滅と言っていい。坂本勇の失策後、投手・秋山に左前適時打も食らった。「それ(エラー)もあるけど、そこに行き着くまでがね。立ち上がりは良かっただけに、もったいない」と指揮官。山口俊は5回7失点。1日の広島戦(マツダ)の5回途中、自己ワースト8四死球に続く乱調ぶりだった。

 前回の反省から「相手どうこうではなく、一人一人全力で打ち取る」と決意して臨んだ試合。中6日の調整期間で、全身を大きく使って投げる感覚を養った。初回は3者凡退。全9球でボール球は1球もない立ち上がりが一変した。4回2死では、またも秋山に、今度は左翼席へと運ばれた。

 由伸監督は「秋山は打撃がいいのは分かっているけど、そこは…というところだよ」と指摘した。9試合連続安打中だった坂本勇も4打数無安打2三振と精彩を欠き、3度目の完封負け。貯金もなくなった。

 12失点した6日のDeNA戦(横浜)から、流れが悪い。打線は“水もの”なのだから、守備からリズムを作らないと勝機は見いだせない。(水井 基博)

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