【巨人】亀井弾!月間MVPメッセ撃ち「岡本さんのおかげです!」

スポーツ報知
6回1死、メッセンジャー(右)から右越えソロを放った亀井(カメラ・池内 雅彦)

◆巨人3―1阪神(9日・東京ドーム)

 難敵に引導を渡す、完璧な一打だった。亀井は打った瞬間、白球の行方を確信していた。「角度が良かったんでね。しっかりしたスイングの中での当たりだったので、いったと思いました」。描かれたアーチの終着点は、右翼席中段だ。貴重な追加点となる3号ソロ。ほぞをかむ虎のエース・メッセンジャーを尻目に、悠々とダイヤモンドを回る背中に大歓声が注がれた。

 試合の流れをたぐり寄せる一振りだった。6回裏1死、3ボール1ストライクから、外寄りに甘く入ったスライダーをすくい上げた。6回無死一、二塁から沢村が好救援で危機をしのいだだけに「塁に出る気持ちで打席に入った。そういう(危機を脱した直後という)意味では、いい本塁打だったかな」と納得。初回には岡本の先制適時打に続いて、中前適時打を放って畳みかけた。2打点の活躍にも「和真が3ボールから勇気ある一打を出してくれたんでね」と後輩を立てた。

 お立ち台では「岡本さんのおかげです!」と3度も声を張り上げ、G党の爆笑をさらった。だが、入団後から「絶対に巨人を背負う打者になる」と目にかけてきた後輩の活躍は誰よりも喜んでいる。現在、会員が2人しかいない“奈良県人会”の亀井会長と岡本副会長の間柄。打撃フォームで「もっと重心が下がっていた時の方が打ってなかった?」とサラリと気になったことを助言したり、16年オフに岡本が武者修行に出かけたプエルトリコのウィンターリーグで外野に挑戦すると知ると、自分の外野手用グラブを送ったこともあった。

 由伸監督も「追加点というところと、流れが悪くなったところでの一発。慎之助もそうだし、勝負強さはこの2人は随所にでるね」と激賛した。連日、トレーナーの元へ訪れては治療や助言を受け、体調管理に人一倍気を使うベテラン。開幕は2軍で迎えたが、欠かせぬ戦力となった。「コンディションさえ良ければ」という言葉に、プライドがにじんだ。(西村 茂展)

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