【巨人】阿部、V390号!3戦ぶりスタメン、キムタク魂2戦連発

スポーツ報知
3回2死二、三塁、先制3ランを放った阿部は、(左から)吉川尚、坂本勇に迎えられ笑顔を見せる(右は井端コーチ=カメラ・酒井 悠一)

◆巨人4―2阪神(10日・東京ドーム)

 まさに弾丸ライナーだ。すさまじい破壊音を残した阿部の打球は、一瞬で右翼席最前列へ消えていった。「インコースの球に体が反応しました。少し差し込まれた感じはありましたが、うまく打つことができました」。0―0の3回2死二、三塁。谷川の143キロを、力で押し返した。今季初スタメン出場した6日のDeNA戦(横浜)に続き、自身2試合連発となる決勝の2号3ラン。通算400号まであと10本とした。

 先輩の「予言」通りだった。試合開始直前のシートノック中。この日の「レジェンズシート」で生解説を務めることになっていた高橋尚成氏が、放送席から場内に向けて「今日はベテランがやってくれるでしょう」と力強く断言。先発の内海とともに名指しされると、阿部は苦笑いしながらもファーストミットを高く掲げて応えていた。そのベテランコンビで勝利をたぐり寄せ、お立ち台では「おっさんパワーで何とかできればと思ってやりました」と胸を張った。

 先週の広島遠征中。試合までの空き時間を使って、10年に急逝した木村拓也コーチが眠る墓へ手を合わせに行った。09年には緊急で捕手を務めるなど、ユーティリティープレーヤーとしてチームをバックアップ。阿部が大きな影響を受けた選手のひとりだ。自身も、今季は開幕から代打として待機する試合が増えた。「たくさん勝ってきた自信もあるし、大事なところでそういう強みを出せればいいかな」。いつでもチームのために最善の準備するのが本当のプロだと教わったから、気持ちは折れなかった。

 4日のDeNA戦(横浜)は8回から代打で出場し、11回までグラウンドに立った。6日は初スタメンでフル出場。出番は増えてきている。「試合に出られる喜びをかみしめながらやっている。与えられた仕事をするだけ。その日の試合を精いっぱいやることしか考えていない」。勝負所の代打で球場内の空気を一変させるのも相手にとっては脅威だろうが、試合中ずっとグラウンドにいることも相当なプレッシャーになるはず。そのどちらも、阿部慎之助にしかできないことだ。(尾形 圭亮)

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