【巨人】上原、笑顔のハイタッチ「テツの勝ちを消したくない」復活USA締め

スポーツ報知
7回から3番手として救援登板し1回無失点に抑えた上原(11番)と苦笑いでタッチする阿部(カメラ・泉 貫太)

◆巨人4―2阪神(10日・東京ドーム)

 恒例の“笑顔のハイタッチ”が帰ってきた。7回を無失点に抑えた上原は、ベンチの前でナインを待ち受けた。全員と手を合わせた後、ようやくベンチへと戻って大粒の汗をぬぐった。「テツ(内海)の勝ちを消したくないという、そういう思いで投げたんでね。結果、消すことなく終えられたんで良かった」。仕事を果たした充実感をにじませた。

 完全復活間近を予感させる、力強い内容だった。4月15日の広島戦(東京D)で3失点し、2敗目を喫して以来となるホールドのつく場面での登板。西岡、代打・原口を連続で遊飛に仕留めると、最後も代打・鳥谷を見逃し三振に斬り捨て、1回を完全投球で無失点。決め球は全て直球だった。「たまたま結果球がそうなっただけ。まだもうちょっと、時間じゃないですけど我慢して。今の練習を続けていって」。投球のバネにつながる、ハードルを跳び越えるなどのトレーニングを継続していく。背番号11はまだ復調途上としたが、球の切れで完全に打者を差し込んだ。

 今年3月10日。巨人復帰を決めてから、初めてG球場で2軍のトレーニングに合流した時、練習を“アテンド”してくれたのは、自身が渡米前から共にプレーしていた内海だった。その後、1軍に合流するまで共に汗を流したが、印象に強く残ったのは背番号26が必死にもがく光景だった。

 「いつも朝早くから練習してましたし。そういう姿を見てますから、どうしても今日は勝ってほしかった。それに1イニングだけですけど、貢献できて良かった」

 勝利の方程式「USA」も再結成だ。8回は9日に2イニング投げた沢村が、連投を苦にせず、1番からの上位打線を1安打無失点。最終回はカミネロが締めて、連日となる5セーブ目をマークした。斎藤投手総合コーチは7回に上原を起用した理由を「(調子が)戻りつつあると言うことだね」と説明。勝ちパターンの継投に、頼もしい一枚が戻って来た。

 日本史上初となる快挙への足音も強まってきた。この日で5ホールド目。日米通算100勝100セーブ100ホールドまで、あと5ホールドとした。「別に何の記録にもならないんでね。それはもう一個一個やらないといけないんで」と今は個人の記録は頭のスミに追いやった。チームに貢献するため、43歳は必ず完全復活を遂げる。(西村 茂展)

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