【巨人】由伸監督、岡本の失策後の失点に「田口が踏ん張らないと」

スポーツ報知
ベンチで厳しい表情を見せる高橋監督(カメラ・矢口 亨)

◆巨人0―6中日(12日・東京ドーム)

 一発病を克服せよ―。巨人は先発の田口が、中日のクリーンアップに3発を浴びて7回5失点。2敗目を喫した。4回、福田に先制ソロを浴びると、6回にはビシエドにもソロ。7回2死から岡本の失策で走者を背負うと、2死一、二塁でアルモンテに3ランを食らった。9被弾はリーグワーストだ。打線はガルシアに来日初完封を献上。チームは今季4度目の零封負け。11日の同戦では菅野が完封し、6―0で勝利したが、そっくりそのまま“0―6返し”された。連勝も3で止まり、首位・広島とのゲーム差は4に広がった。

 期待が大きいからこそ、田口に関する質問も多くなる。今季4度目の完封負けと打線が打てなかった事実はさておき、由伸監督は「良かったとは言い切れないけど…。まあ、普通にいっていれば7回2失点くらいか。先発としてはまあまあ試合を作ったのかなとは思うけど」と責めるまではないものの、歯切れは悪かった。

 投手戦から、接戦に持ち込むのが理想だった。相手のガルシアには、前回4月4日(ナゴヤD)の対戦で、6回2安打1点に抑えられている。嫌なイメージが残っているからこそ、田口の踏ん張りがカギを握っていた。だが、4回1死で福田に被弾し、6回にはビシエドに放り込まれた。驚くほどの球威がある投手じゃないから、低めへの制球力が大事になるが、今の左腕にはそこが欠けている。

 7回2死一、二塁でアルモンテに3ランを打たれた球も、高めにカーブが抜けていた。2アウトを簡単に取り、岡本が二塁手・吉川尚の送球をエラーする不運も重なったが、田口ならば若手のミスなど補えるはず。指揮官も「岡本もしっかり捕らなくちゃいけないけど、そういうことが起きたら起きたで田口が踏ん張らないといけない」と注文をつけた。

 今季の計9被弾はリーグワースト。斎藤投手総合コーチも「球威ある方じゃないから一発がついて回るけど、今年は多い。低めを徹底していかないと」と指摘した。被安打49もセのワーストだ。

 菅野に続く“左腕エース”である。ベンチも、ある程度は白星を計算している。由伸監督は「そういうふうに期待している一人なんでね」と話しているが、ここまで7試合に先発して2勝2敗、防御率は5・59。チーム打率が2割7分8厘と打線が活発な現状を、生かし切れないのが今の田口であり、巨人が波に乗りきれない要因の一つに挙がってくる。

 もちろん、打線も0点に抑え込まれては勝ち目はない。ガルシアは球威のある真っすぐを軸に、チェンジアップとスライダーで散らしてくるが、適度に荒れてくるから的が絞りづらい。指揮官が言う「対応しきれなかった」がすべてだった。良い投手は、簡単には打ち崩せない。だからこそ、今夜は「田口で何とか―」と期待したくなる。シーズンは、始まったばかり。4ゲームに広がった首位・広島との差を詰めるには、左腕の復調が必要になる。(水井 基博)

巨人

×