【巨人】岡本が鹿児島で「ジャイアンツ維新」のドン ヤクルトと連勝「勝利に貢献を」

スポーツ報知
ヤクルト戦のため鹿児島空港に到着した岡本(左は亀井=カメラ・豊田 秀一)

 巨人の岡本和真内野手(21)が14日、「ジャイアンツ維新」のキーマンに名乗りを上げた。15日からのヤクルト2連戦は、明治維新の「三傑」こと西郷隆盛ゆかりの鹿児島が舞台。岡本もチームの打点王に君臨するなど、巨人新時代を切り開こうと奮闘中だ。12年シーズン、当時まだ若手だった坂本勇&長野が同じ鹿児島で大活躍し、大逆転優勝の足がかりを作ったように、岡本が新たな伝説を作る。

 窓の外に桜島を見下ろしながら、飛行機はゆっくり鹿児島に着陸した。空港ロビーに降り立つと、そこには西郷どん、西郷どん、西郷どん…。かりんとう、さつま揚げ、焼酎と、土産コーナーにも至るところに西郷隆盛が描かれていた。気温29度。初夏を思わせる陽気も伴い、岡本の闘争心は燃え上がった。「チームの勝利に貢献できるように、しっかり頑張ります!」。ヤクルト2連戦に向け、キリッとまゆ毛をつり上げた。

 薩摩の西郷隆盛といえば、今年のNHK大河ドラマ「西郷どん」でもおなじみだが、明治維新三傑と呼ばれる幕末の最重要人物だ。かたや巨人の岡本どんも、世代交代の遅れが課題とされていた巨人において、新時代を切り開こうと奮闘している。開幕からコンスタントに打ち続け、13日の中日戦(東京D)ではダメ押しの特大3ランをたたき込んだ。ここまで25打点を積み上げ、ベテランや助っ人勢を抑えてチームの打点王に君臨している。

 巨人維新の象徴として、結果とともに人気も沸騰している。レプリカユニホームの売り上げは前年比886・4%増で、上原、坂本勇、小林に次ぐチーム4位へ上昇。また、二塁のレギュラーに定着している吉川尚のユニホームも、昨季と比べて15倍の売り上げをたたき出し、岡本に肉薄しているという。岡本が「僕らの世代では尚輝さんと僕が試合に出させてもらっているので、なんとか食らいついていこうと必死」と言うように、新時代を作ろうと躍動する姿が、ファンの心をわしづかみにしているのだろう。

 かつても、新たな幕開けは鹿児島からだった。12年は4月に2度の5連敗と苦しんでいたが、同26日のDeNA戦で1番・長野が3安打2打点、3番・坂本勇が2安打5打点で大勝した。当時は2人ともまだ若手だったが、世代交代を印象づける活躍。低迷していたチームも、奇跡の大逆転優勝を成し遂げた。岡本は「最初だけじゃなく、一年間しっかり継続してやることが大事」と先も見据えるが、薩摩2連戦は巨人維新を左右する重要な試合になりそうだ。(尾形 圭亮)

 【VTR】4月2度目の5連敗を喫した直後の一戦、新1番に起用された長野が3安打2打点で打線に点火すると、3番の坂本は2本のタイムリーと犠飛で5打点。2人のバットに触発されたように、打線は先発全員の15安打で15点。1952年以来60年ぶりに鹿児島で白星を挙げ、巨人は最下位を脱出した。

巨人

×