【巨人】岡本、また右へ!2試合連発 覚醒のきっかけは吉川尚の助言だった

スポーツ報知
4回無死、同点の7号右越えソロ本塁打を放つ岡本(捕手・古賀=カメラ・酒井 悠一)

◆ヤクルト2―1巨人(15日・鹿児島)

 快音を残し、岡本の打球は右翼ポール際に吸い込まれた。「先頭打者だったので、とにかく塁に出ようと思って打席に入りました。高めに来た球を、強く打つことができました。食らいついていった結果です」。1点を追う4回無死。ハフの初球、外角直球をバットに乗せた。13日の中日戦(東京D)でプロ初となる反対方向への一発を叩き込んだばかりだが、2戦連発の7号ソロは再び右越え弾。試合を一時振り出しに戻した。

 6回には二盗を決め、今季2つ目となる盗塁をマークした。1点を勝ち越された直後の9回先頭では、石山から左前安打を放って出塁。最近5試合で4度目のマルチ安打とした。打率3割4分8厘、7本塁打、26打点と、主要部門でリーグ上位につけ、存在感は日に日に強くなっている。由伸監督は「いいホームランだったし、最終回もヒットで出てチャンスを作った。よくやっているね」とうなずき、二岡打撃コーチも「どのコースに対しても、自分の形で強く振れるようになっている」と認めた。

 成長著しい若武者は、ちょっとした遊び心もヒントにつなげている。ある試合前の練習で、吉川尚のバットを借りて試し打ちしたことがあった。岡本が使っているバットとは乾燥方法などからして全く違うため、打感は硬めで扱いに悪戦苦闘。フリー打撃では、思うように打球を飛ばすことができなかった。

 打撃ケージを出てしきりに首をかしげていると、吉川尚から「そんなに力任せに振ってたら、飛ぶものも飛ばないよ」と笑われた。100%のフルスイングで球に衝突することだけが、遠くへ飛ばす方法とは限らない。強く振り抜く中でも、ある程度の脱力を意識することの大切さに気づかされたという。

 明治維新の「三傑」、西郷隆盛ゆかりの薩摩を舞台にしての2連戦。岡本の一発のみに終わって競り負け、「勝たなきゃ意味がないので…また頑張ります」と言葉少なだったが、若き大砲が巨人新時代をこじ開けようと奮闘する姿は、鹿児島のファンの目に焼き付いたはずだ。(尾形 圭亮)

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