【巨人】菅野プロ1号がV弾!3失点で白星は4年ぶり「野手の皆さんに感謝」

スポーツ報知
5回無死、勝ち越しとなるプロ初本塁打を放った菅野(=カメラ・池内 雅彦)

◆巨人6―3DeNA(18日・東京ドーム)

 巨人はエース・菅野がプロ1号となるV弾を放ち、DeNAを撃破した。3回、筒香に2ランを浴び連続無失点イニングは29でストップ。だが同点の5回無死、石田のスライダーを左越えに運び、自ら決勝点をたたき出した。投げては6回3失点で自身5連勝、5勝目をマーク。打線は坂本勇が5号3ラン、阿部が代打ダメ押し2点打を放つなど6点を奪い、今季最多の貯金4。投打がガッチリかみ合い、首位・広島とのゲーム差を2・5に縮めた。

 無心でバットを振り抜いた。菅野が放った強烈な弾丸ライナーが、左翼席に一直線に飛び込んだ。プロ6年目、通算320打席目で念願の初本塁打。「外野の頭は越えたと思ったのですが、入るとは思わなかったです。一塁ベースを回った時に歓声がワーッと沸いて入ったんだと」。走る速度を緩めガッツポーズ。ベンチに戻ると、ナインと笑顔でハイタッチした。

 梶谷に同点ソロを浴びた直後の5回、先頭打者として打席へ。カウント2ストライクからの3球目、内角低めに食い込んでくる左腕・石田のスライダーを完璧にとらえた。「来た球に反応して打ちました。また打ちたい。そのぐらい良いものです」。東海大相模高以来の本塁打。巨人投手の本塁打による勝利打点は、04年の工藤公康以来14年ぶりという、価値ある一発だった。

 打撃への意識も高い。ミズノ製のバットは投手としては異例の、職人に発注して一から木を削ったオリジナルモデル。「軽くて、長い、飛ぶバット」というこだわりが詰まった約85センチ、約880グラムの相棒だ。16年にはシーズン打率2割2分2厘を記録したこともある。

 プロ1年目から「本塁打を打ちたい」と言い続けてきた。過去には、甲子園での大飛球や京セラD大阪の左翼ポール際5階席への大ファウルなど惜しい打球はあった。今年は打率1割台に満足せず「打っていないので」とG球場の練習のマシン打撃で、通常の2倍近く打ち込んだ日もあった。試合中はともにチームの先頭に立つ坂本勇に相手の配球や狙い球を聞き、助言を求めている。3回にも坂本勇の逆転3ランを呼ぶ中前打。一つ一つの努力が、待望の一発につながった。

 本業の投球では、3回2死一塁から筒香に左翼席への先制2ランを浴び、連続無失点記録は29回でストップ。16年に作った自身最長記録で、89年に斎藤雅樹も作った30イニング超えには届かなかったとはいえ、気持ちを切り替えてその後の勝ち越しは阻止した。6回107球3失点での降板に満足はしていないが、偉大な記録は色あせない。

 「去年、3連続完封した次の試合でズルズル4点取られてしまった。今日はしっかり試合を作れたという部分では、去年と違った成長だったりを感じますけど、まだまだ目指すところはここじゃないので」

 菅野が3失点以上で勝利投手になるのは、14年4月29日ヤクルト戦(東京D)の4失点完投以来、4年ぶり。お立ち台ではナインへのお礼の気持ちを表現した。

 「今日も野手の皆さんに助けてもらって、守備でも初回の勇人さんの守備(ダイビングキャッチ)であったり感謝が尽きないです」

 毎年、圧巻の投球で白星を重ねてきた菅野でも、点を取られる時もある。エースの投打での奮闘に野手も奮起。チーム一丸、絆の強さを感じる1勝だった。(片岡 優帆)

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