【巨人】代打・阿部、トドメの2点タイムリー
スポーツ報知

◆巨人6―3DeNA(18日・東京ドーム)
Vサインの両手を、阿部はベンチへ向けて高々と突き上げた。
「落ちるボールをマークしながら、全ての球に対応できるようにしていた。最後、一番甘く入ってきてくれた。詰まったけれど、当たりは関係ない。ああいう形になってよかった」
1点リードの6回2死満塁。菅野の代打で登場した。マウンドは武藤。3ボール1ストライクから、直球を3連続でファウル。8球目でフォークが来たが、これに反応した。打球は一、二塁間を抜ける。2者が生還して、勝負アリだった。
ベテランならではの勝負勘がさえた。「僅差だったから、智之の球数も見て、早めに準備していた」。3回、坂本勇の3ランで逆転した直後からベンチ裏に下がり、出番に備えて体を作り始めた。6回を終えて、菅野の投球数は107。チャンスで下位に打席が回りそうだと判断すると、スイッチを入れた。「(武藤は)中日の時より直球が速くなっていた」と振り返ったが、バットを振っていくうちにスピードに追いつき、貴重な2点をもたらした。
2月の宮崎キャンプ第1クール。チーム宿舎近くの飲食店に主将の坂本勇と選手会長の菅野を招き、“首脳会談”を開いた。「あんまり難しい話はしてないけど、これからは勇人と智之が中心で引っ張っていかないといけないからな」。正捕手や主将として長年チームを引っ張ってきた経験を、投打の新リーダーに託した。
坂本の3ランから始まり、菅野の力投とプロ初アーチで勝ち越した試合だが、勝負どころでトドメを刺したのは阿部だった。高橋監督は「勝負かなというところで、やっぱりさすがというか、阿部がいるのは心強いと思ったね」と感謝。立場は変わりつつあるのかもしれないが、頼もしさは全く変わらない。(尾形 圭亮)