【巨人】長野、20戦連続安打ならず…6回積極策でチャンス拡大も凡退

スポーツ報知
6回1死二、三塁の好機に右飛に倒れた長野(投手・エスコバー=カメラ・池内 雅彦)

◆巨人1―3DeNA(19日・東京ドーム)

 巨人はあと1本が出ず、3連勝を逃した。由伸監督は1点を追う6回無死、二塁打で出塁したマギーに代走を送る積極策を敢行。重盗も決まって1死二、三塁の好機を呼び込んだが、19試合安打を続けていた長野が凡退。後続も断たれてチャンスを生かせなかった。先発した田口は初回、筒香に先制2ランを被弾。粘投を続けたが、6回2失点で今季3敗目を喫した。

 いつもの、あとひと押しが出来なかった。中盤、わずか1点のビハインドを追いつけず、流れを逸した。試合後、由伸監督は歯がゆさをにじませた。「あと、もう1本が出なかったね」。好機での凡退が続いた長野については「岡本と一緒でいつもいつも打てたら苦労はしない。でも、そういったところで1本打つというのが打者の力の見せどころだと思う」とも指摘した。

 先発の田口が初回、筒香に2ランを浴びた。開幕から続く“一発病”で幸先の悪いスタートも、4回にゲレーロとマギーの連続二塁打で1点差に。しかし、ここからのホームが遠かった。指揮官が言うように、最大のハイライトは6回。ベンチが動き、作った大チャンスだった。

 まず、先頭・マギーが左中間二塁打で出ると、すかさず代走に吉川大を送った。中盤で4番打者を代えてまで「最低1点」を奪いに行った。1死で亀井が死球で歩くと、続く長野の初球にダブルスチール。亀井から登板したエスコバーのスキを突く積極策で、G党の大合唱が始まった。「打てない時は当然ある。そんな時こそ、我々がいかに動いて、助けるか」。そう話していた指揮官の狙い通りに事は進んだが、長野は浅い右飛に。役者が打てず、場内に深いため息が漏れた。

 「いい場面で打てないとこういう試合になってしまう。最低でも同点というケース。申し訳ないです」とは長野。2点を追う8回2死一、三塁では捕邪飛に打ち取られ、連続試合安打も19でストップ。「個人のことは全然。チームが勝てるように明日頑張ります」と責任をすべて背負うかのように肩を落とした。

 打線は水ものである。この日は打てなかった―と捉え、切り替えるしかない。いまだチーム打率は2割7分4厘を誇り、開幕40試合目で200得点に到達。1試合平均5得点の力は本物と言える。打線を引っ張ってきた岡本が2試合無安打と苦しんでいるが、「まあ、2試合打てない時だってあるでしょ」とは由伸監督。成績を残しているから相手の攻め方も厳しくなるわけで「いかに苦しい時を乗り切るかが大事になる」。

 打線全体が好不調の“大きな波”を作らずに戦っていくことさえ出来れば、未来は明るい。誰かが打てなければ誰かが打つ。“今日はたまたま”と楽観視してみる。(水井 基博)

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