【巨人】東京―新大阪7時間!新幹線缶詰めトラブルでお疲れナイン…岩貞対策も実らず

スポーツ報知
9回無死一塁、中飛に倒れた岡本(手前は一塁走者・吉川大=カメラ・相川 和寛)

◆阪神1―0巨人(25日・甲子園)

 巨人は今季5度目の完封負けを喫し、3位に後退した。左の岩貞対策として、左手甲の骨折が完治した陽岱鋼を昇格させ、右打者を8人並べたが得点ならず。糸井の右越えソロのみで8回1失点完投したエース・菅野を援護できなかった。一部ナインは前夜、東京から新幹線で移動した際、思いがけないトラブルにも巻き込まれていた。

 G党の希望を乗せた亀井のバットが空を切った。9回2死一、二塁。一打同点の場面で、得点圏打率リーグトップ4割8分5厘を誇っていたベテランが、ドリスに空振り三振を喫しゲームセット。ほぞをかんだような表情で、由伸監督はベンチ裏へ引き揚げた。

 積極的に動いた。相手の先発・岩貞は今季初対戦。この試合前まで対左打者の被打率が1割1分1厘に対し、対右は3割3分9厘まではね上がる。由伸監督は24日夜に行われたイースタン、DeNA戦に出場していた陽岱鋼の1軍復帰を決め、いきなり先発起用。2番の吉川尚以外は、菅野を含め右打者を8人並べた。

 だが、本塁が遠かった。2~4回は得点圏に走者を進めたが、チェンジアップ、スライダーを織り交ぜて外角に出し入れする投球の前に、あと1本が出なかった。特にゲレーロの“決定力不足”が響く。3回2死二塁の好機でも見逃し三振。14試合連続で本塁打も打点もない。「岩貞くんが良かったのか、自分が悪かったのか…」と肩を落としたゲレ砲に、指揮官も「そこ(中軸)に何とかチャンスをというのは、どのチームも考え方は同じ。チャンスがいってるんであれば、何とかしてもらうしかない」と奮起を願った。

 不運にも見舞われた。移動日となった24日、関西入りする時間は各選手の判断に任されていた。それぞれ治療やトレーニングに充て、決められた時間に間に合うように移動したが、午後8時25分ごろ東海道新幹線の米原駅付近で信号トラブルが発生。午後11時すぎに運転を再開したが岡本、小林ら10人前後の選手、関係者が約4時間、途中で“缶詰め”となり、兵庫県内の宿舎に着いたのは午前4時ごろだった。午後10時半ごろ新大阪駅到着予定だったゲレーロも4時に宿舎入り。「それ(電車の遅れ)は言い訳にならない」と首を横に振ったが、万全でないコンディションで臨むことを強いられたのもまた事実だ。

 好投のエースを援護できない痛い星を落とし、チームは3位転落。嫌な流れの時は不運も重なってしまうもの。主将の坂本勇は「毎試合、切り替えていくしかないので」と強調。強い気持ちで、踏ん張りどころを乗り越える。(西村 茂展)

 ◆過去には24時間缶詰めも 2000年9月11日午後4時、12日からの阪神戦(甲子園)に備え、巨人関係者41人を乗せた東海道新幹線が東京駅を発車。だが、台風14号の大雨の影響でダイヤは大混乱。12日に先発予定だった高橋尚も乗車していた列車は豊橋―岐阜羽島間で立ち往生し、新大阪駅に着いたのは翌12日午後4時16分。なお12日の試合は雨天中止となった。

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