【巨人】９回１死満塁の悪夢…レフト落球も併殺

◆阪神９―１巨人（２７日・甲子園）

　極めて珍しい幕切れとなった。１―９の９回１死満塁。長野が左翼後方へ高々と飛球を打ち上げた。犠飛で１点―。と誰もが思った瞬間、中谷がグラブに一度白球を収めて落球した。

　三塁塁審の土山は、アウトのジェスチャーをしかけてセーフと両手を横に広げた。二塁走者のマギーは完全捕球後の落球ととらえてスタートを切れず、一塁走者の亀井も進めず。守備陣の送球が三塁、二塁と渡ってそれぞれフォースプレーでアウト、併殺となった。

　阪神ナインも半信半疑の中、審判が場内アナウンスで試合終了を宣告した。その後、由伸監督が抗議も判定は変わらず、長野の記録はレフトゴロ（打者に併殺打はつかず）。封殺による併殺のため三塁からタッチアップしていた岡本の得点は認められない異例の形となった。

　完全捕球で、送球時の落球という判定だった場合、記録は長野の犠飛だった。１点を争う接戦だったら大きなプレー。試合後、責任審判の本田球審は「（塁審が）ノーキャッチと判断した。送球動作に移る判定なのでリクエスト（映像検証）の対象外です」と説明。走者は審判を見続けるわけにいかず野手の動きも見るため、大西外野守備走塁コーチは「走者は責められない」とマギーをかばっていた。