【巨人】ソロ3発 新BIG打線つながらず交流戦黒星スタート

スポーツ報知
9回の攻撃をベンチから見守る巨人ナイン。2点差まで追い上げるも5連敗を喫した(カメラ・池内 雅彦)

◆日本生命セ・パ交流戦 巨人3―5日本ハム(29日・東京ドーム)

 日本生命セ・パ交流戦は、14年目のシーズンが開幕。巨人は日本ハムとの初戦を落とし、5連敗となった。吉川尚を8番、亀井を2番に据えた新打線で臨んだが、得点はソロ3発だけだった。先発・山口俊は初回近藤、7回西川に2ランを打たれ、7回4失点で4敗目。坂本勇は3回のソロで球団歴代10位タイの171本塁打となった。

 最後の希望を乗せた打球はしかし、左翼フェンス前で失速した。9回、亀井のソロで1点を返してなお2死二塁。一発出れば同点の場面でゲレーロが左飛に倒れた。追い上げも及ばず。「終始リードした形で試合ができなかった」。由伸監督は主導権を一度も握れなかったことを悔い、今季2度目の5連敗を受け止めた。

 交流戦開幕に、指揮官が大きく動いた。ここまで全試合「2番・二塁」でスタメン出場していた吉川尚を8番に。2番には亀井を起用した。「誰がどうこうではなく、点が取れるんじゃないかという流れを考えた」と説明。坂本勇、岡本を含めチームで出塁率、得点圏打率のトップ3で上位を形成。好調な打者に多く打席を回したい、好機で一気に攻略したい、そんな狙いもあったかもしれない。

 だが初対戦のマルティネスを攻略しきるまでには至らなかった。ツーシーム、カットボールで微妙に球を動かしてくる右腕に、8回まで内野ゴロが12本(うち一つは併殺打)と芯を外され続けた。3回に坂本勇がバックスクリーン左へ、7回にはゲレーロが左翼席上部の女優・吉永小百合がほほ笑むJR東日本の看板にぶち当てる17戦ぶりの特大弾、9回にも亀井が右翼席中段へと3発を浴びせた。いずれも文句なしの当たりだったが、全てソロ。連打で畳みかけることができなかったとも言える。

 マルティネスは米レンジャーズでも23歳で先発ローテ入りしていた有望株。実力は折り紙付きだ。当然、スコアラー陣からも情報は上がっていただけに、指揮官も「球がよく動いていたんだろうけど、でもそれはある程度分かっていることだと思う」とズルズルと術中にハマった点を指摘した。

 もちろん山口俊が立ち上がり、追い上げ途中で、それぞれ手痛い2ランを許したことも響いた。仕切り直したい交流戦を黒星発進。また昨年の悪夢の13連敗と同じ足取りを一歩たどった。苦境を打破するには―。由伸監督はこの日の会見で一番の力を込めた。「自分たちがリードした形で試合を進めるのが一番の勝つ方法。そういう展開にしたい」。投手は絶対に先取点を許さない。打線は早めに先取点を奪う。勝負の原則に従い、強い気持ちで戦い抜く。(西村 茂展)

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