【巨人】7回V呼ぶ坂本打!2死三塁トドメの1点

スポーツ報知
7回2死三塁、中前に適時打を放つ坂本勇

◆日本生命セ・パ交流戦 オリックス1―3巨人(1日・京セラドーム大阪)

 思わず笑みがこぼれた。一塁上の坂本勇は、自軍ベンチに向かって右腕でガッツポーズした。「もう1点、というところで打ててよかったです」。1点リードの7回2死三塁。黒木の152キロを押し返すと、打球は中前へ抜けていった。相手先発・ディクソン攻略に手を焼いたが、継投に入った直後に決着をつけた。

 1点以上の価値がある一撃だったかもしれない。同点で迎えた7回は、ゲレーロの四球と陽の左前打で無死二、三塁。吉川尚の犠飛で勝ち越し点を奪ったが、1死三塁から小林は一邪飛に倒れていた。畳み掛ける場面で1点止まりなら終盤勝負になりかねない状況だったが、主将がトドメの一撃をお見舞いした。「相手もいい投手。簡単には点は取れないけれど、最後にああやってつないで得点できたのはよかったです」。これで勝負アリだった。

 この日の試合前練習中。フリー打撃で快音を響かせていたが、途中で打ち損じてバットを折ってしまった。打撃を終えると、その折れたバットをテーピングで安全に補強し、マジックでサインを入れて球団スタッフに託した。スタンドで練習を見学していた子供にプレゼントするよう、お願いしたのだった。「野球界の将来を支えていくのは小さい子供たち。せっかく球場に来てくれたんだから楽しんで帰ってほしい」。日頃からスタンドの子供たちとキャッチボールするなど神対応だが、そんな思いが込められている。

 勝負所できっちり決めてきた背番号6に、チビッコファンたちは大満足だったはずだ。現役の頃、同じように折れたバットを球場に来た子供たちにプレゼントしていた由伸監督も「やっぱり、その1点は大きかった。ああいったところで1本出せるところが、力のあるというか、さすがだなと思う」とたたえた。最近10試合で6度のマルチ安打と好調をキープしていて、打率も3割5分3厘と上昇中。得点圏打率はリーグ2位の4割7分7厘で、トップの5割・亀井と続く恐怖の1、2番も完成。ここぞでチームを勢いづけられるのは、やはり坂本勇だ。(尾形 圭亮)

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