【巨人】菅野&小林、直球強いパ打者に即対応 変化球効果的に使い7回1失点6勝目

スポーツ報知
相性の良い京セラドームで勝利し、声援に応える菅野(カメラ・矢口 亨)

◆日本生命セ・パ交流戦 オリックス1―3巨人(1日・京セラドーム大阪)

 これぞ巨人のエースだ! 菅野は初回に1点を失い、その後も走者を背負ったが要所を締める投球で7回1失点。交流戦で敵地4年ぶりの白星を収め、6勝目を挙げた。打線は4回にゲレーロの二塁打で同点とすると、7回は吉川尚の犠飛で勝ち越し。さらに主将・坂本勇の適時打で、リードを広げた。京セラDでのオリックス戦も12年から9連勝と相性の良さを発揮し、3位に浮上。9勝14敗1分と負け越した5月も終わり、白星スタートの6月となった。

 菅野が勝利への執念を見せた。2点リードの7回2死一塁。西野に8球粘られて迎えた9球目。最後は内角低めのスライダーで一邪飛で締め、小さくグラブを叩きガッツポーズ。「毎回完封、完投とはいかない。粘り強く投げられた」と、6勝目を振り返った。

 初回、オリックス打線に仕留められた。1死二塁で吉田正に直球を打たれ先取点を許した。「自分は直球が遅い方じゃないけど、パ・リーグは直球が速い投手がいるから振り負けない。特に吉田君には近めの直球を簡単にはじき返された」

 直球を打たれたため、小林と話し合い、序盤は変化球を多投。毎回走者を背負うもフォークを効果的に使った。同点の4回1死一、三塁はフォークで小田を遊ゴロ併殺。5、6回は直球を織り交ぜた投球で3者凡退。球威も変化球のキレも落ちず7回7安打1失点とし、防御率も1点台に復帰。「締まった試合になったのは小林の力も大きい。中盤以降はいいところを引き出してくれました」と、先発復帰した女房役に感謝した。

 今季はエースの覚悟を胸に挑んだ。練習前のアーリーワークで、ルーキー捕手・大城ら若手に声をかける姿がよく見られる。「後輩に目をかけるようになったのはここ3、4年ですかね。気持ちの余裕ができてきた。自分の力量というものが分かってきたので」

 苦労なくプロに慣れたと思われがちだが、自身も新人時代は苦労した。後輩に育ってほしい―。その思いが行動になった。「自分ももちろんいっぱいいっぱいでしたよ。どうしていいか分からないことばっかりですもん」と話す。

 今や名バッテリーとなった小林とのコンビ“スガコバ”も2、3年目から。「1年目は阿部さんとバッテリーを組んだ。勇人さん、阿部さんから『もっとこうした方がいいぞ』と言ってもらいました。とてもありがたかった。その背中を見ていたのは(自分の中で)とても大きかった」。この日は阿部がヒットで励まし、坂本勇も適時打で背中を押してくれた。

 由伸監督は「前半少し苦労したわけじゃないだろうけど、慎重にというか、粘ってくれたと思う」と、賛辞を贈った。巨人の京セラDでのオリックス戦は、12年から9連勝で、3位に再浮上。昨年、防御率5・40と規定投球回以上では最下位と苦しんだ交流戦初戦を白星で飾ったが「目指しているところは3位ではない。優勝できるように頑張ります」。エースの背中はたくましい。(玉寄 穂波)

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