【巨人】坂本勇、セ界初のショート10年連続10号!…予告通り「いい場面」

スポーツ報知
8回1死二塁、坂本勇が10号2ランを放ち、バットを放り投げて笑顔を見せる(カメラ・矢口 亨)

◆巨人8―5ヤクルト(22日・東京ドーム)

 巨人の坂本勇がセ・リーグ遊撃手初の10年連続2ケタ本塁打となる10号2ランを放った。1点差に迫られた8回に、勝利を決定づける貴重な一発だった。長野が2本の2点二塁打など3安打4打点、マギーも4安打1打点と復調気配。エース・菅野が6回7安打2失点の粘球で8勝目を挙げた。交流戦を連敗で終えた由伸巨人が、リーグ戦再開初戦で勢いのつく勝利を挙げ、2位に浮上した。

 打球が左翼席上段へ吸い込まれると、坂本勇はバットを放り投げ、跳びはねた。一塁ベンチに向けて満面の笑顔を見せると、腹の底から雄たけびを上げた。1点差に迫られた8回。1死二塁から近藤の高めの直球を仕留め、今季10号2ラン。セ・リーグの遊撃手では史上最多となる10年連続10度目の2ケタ本塁打に乗せた。

 「打った感触は完璧。気持ちいいホームランでした」

 過去9度の2ケタ本塁打をマークした阪神・藤田平、中日・宇野勝、ヤクルト・池山隆寛、広島・野村謙二郎ら歴代名ショートの先輩たちを超える、“セ界最強ショート”の称号にふさわしい一撃だった。

 試合の勝負所だと分かっていた。3回までに6点リードも、8回に畠山に3ランを浴びて1点差まで迫られていた。だからこそ「流れ的にもすごく嫌な展開だった。チャンスを作ってくれたので何とかランナーをかえしたいと思った」。この打席の前まで無安打だったが、最後の最後で主役に躍り出た。由伸監督も「流れが少し行きかけたというか、嫌な雰囲気になった所での一発だったので、大きな一発だった」とたたえた。

 高卒2年目からレギュラーとして試合に出続けてきた勇人も、今年の12月で30歳を迎える。節目の1年を前に「30歳になったら体が変わってくると色々な人から言われてきた」という。実際に昔なら出なかった箇所に張りが出るなど、変化は感じている。

 それでも「年を取ったからといって練習量を落としていたら、(力が)落ちていく一方。そこは意識して、練習量は少しずつ増やしながらやっていく」。1月の自主トレでは吉川尚ら若手に負けない猛練習をこなし、シーズンイン。するとここまで打率リーグ1位の3割3分7厘、同2位の48打点。衰えるどころか、最高のシーズンを歩んでいる。

 これで東京Dでのヤクルト戦は4戦4勝。借金を2に減らし、2位に浮上した。「何とかいい形でカード頭を取ることが出来てよかった。オールスターまで大事な戦いが続くので、しっかり戦っていく」。セ・リーグ史上最高で最強のショートであることを、自らの力で証明した。(後藤 亮太)

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