【巨人】マギー、2戦連続初回先制V打!原点回帰で躍動「ダイジョウブ!!」

スポーツ報知
4打点の活躍を見せたマギー。ファンと笑顔でハイタッチ(カメラ・川口 浩)

◆巨人7―1ヤクルト(23日・東京ドーム)

 巨人が3、4番の一発と下位打線の流れるような攻撃を絡めて7点を奪って快勝した。初回にマギーが前日から5打席連続安打となる中前打で先制すると、4回には岡本が、5回にはマギーがアーチを描いた。6回には和田のプロ初安打から2得点と隙のない攻めを披露。先発・山口俊は6安打1失点で、菅野に並んで両リーグでトップに立つ5完投で6勝目を挙げた。2カードぶりの勝ち越しも決め、勝率5割復帰も目前だ。

 両手に残った感触は、完璧だった。マギーは歩いて打席を踏み出した。打球が左翼席上段へ着弾する前に、一塁の井端内野守備走塁コーチと歓喜のタッチに備えて右手を広げていた。「体勢を崩されずに自分のスイングができたよ」。6号3ランで、試合の流れを大きくたぐり寄せた。

 “恩師”の教えをきっちり体現した一発だった。5回2死二、三塁。ハフの1ストライクからの2球目、低めのチェンジアップを引きつけ、最後は「くの字」に体を折り曲げながら振り抜いた。交流戦終了後の空いた日程を利用して、2軍戦出場を志願。その間に、13年の楽天時代に薫陶を受けた田代2軍打撃コーチから「右足にしっかり体重を残せ」と助言されたおかげで頭は突っ込まず、体の軸もブレなかった。初回1死三塁では、前日22日同様に中前適時打を放つなど2安打4打点の活躍。「1番が出て、2番が進めて作ってくれた最高の形を、しっかり返すことができた」と胸を張った。米カリフォルニア州から観光に訪れている姉・アマンダさん(38)家族の前で雄姿を見せた。

 リーグ戦再開までは、8日の西武戦(東京D)を最後にベンチを温めていたが、スタメンを外れる間は自分を見つめ直す時間にもなった。「頭から出てないと、代打の1打席しかない。細かいことを考えていると、結果は伴わない」。焦りはフォームの乱れを呼び、悪循環。悩みのさなかに導き出した答えは「自分に対する自信を失わないことが一番大事」。自分を信じて、来た球を強くコンタクトする。原点に回帰したら、視界は晴れた。我慢の時期も無駄ではない。

 5月15日の一戦で8回1失点と好投を許したハフにリベンジし、リーグ再開カードの勝ち越しを決めた。その2試合で、打線のけん引役となった主砲はお立ち台で「ダイジョウブ!」と少しはにかみながら、復調を宣言した。マギーのV字回復が、そのままチームのVに近づく。(西村 茂展)

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