【巨人】坂本勇、孤軍奮闘マルチも広島・高橋昂に初勝利献上

スポーツ報知
広島に敗れ悔しそうにグラウンドをベンチから見つめる坂本勇(右、カメラ・石田 順平)

◆広島4―2巨人(28日・マツダスタジアム)

 感情をグッとこらえるように、坂本勇は言葉を絞り出した。「切り替えて? それしかないですね。負けた悔しさをしっかり受け止めて」。王者の底力を見せつけられての3連敗。追い上げるはずが、さらに突き放される結果となった。

 孤軍奮闘だった。まずは初回先頭。高橋昂の外角直球をとらえた打球は、右翼フェンスの最上部を直撃した。あと数センチでホームランという当たりで一気に三塁へ到達。マギーの遊ゴロの間にホームを踏んだ。さらに1点リードの5回2死二塁。内角直球はバットの根元に当たったが、小飛球が遊撃後方にポトリと落ちる適時打となった。「対戦がなかったり、少ない投手に対しては、とりあえずどんどんバットを振って合わせていくしかない」。それを実践する打撃で、突破口をこじ開けようと躍動した。

 それでも、打線は高橋昂の前に沈黙。坂本勇の2安打を含めて、6回までわずか3安打に封じられた。日本人投手にプロ初勝利を献上したのは、風張、中尾(ともにヤ)、東(D)、才木(神)、古川(楽)に続き今季6人目。7回と8回は無死一塁からいずれも併殺で好機を逃す展開に、高橋監督も「1点差と2点差と、イニングを考えると難しいところ。なんとかつないで、というところだったけど」と言葉少なだった。

 坂本勇は、24日のヤクルト戦(東京D)をコンディション不良のため欠場。26日の広島戦から戦列復帰し、初戦と2戦目こそ無安打だったものの、打席に立つごとに感覚を徐々に取り戻した。気迫あふれるスイングは、ナインと自分自身にムチを入れているようだった。(尾形 圭亮)

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