【巨人】陽が“亀様”御利益で全5打点 7連勝で広島との首位攻防戦へ

スポーツ報知
1回2死満塁、走者一掃の二塁打を放ちベンチに向かってガッツポーズをする陽(カメラ・矢口 亨)

◆阪神3―5巨人(18日・甲子園)

 巨人が今季2度目の7連勝だ。陽岱鋼が初回2死満塁から走者一掃の先制二塁打、8回1死二、三塁では左前2点打を放ち、この日の全5打点を挙げる活躍でチームを引っ張った。投げては来日2戦目の先発となったメルセデスが7回6安打無失点と好投。2戦12イニングを無失点で自身2戦2勝とした。20日からは、ゲーム差を5に詰めた首位・広島と敵地で3連戦だ。

 喜びと安堵(あんど)を抑えきれなかったのだろう。陽は三塁ベース上で何度も両手をたたき、満面の笑みでガッツポーズした。「高めの球を押し込むよに、しっかりと打ち返すことができました。久しぶりのヒットですし、それが先制点につながったのはうれしいですね」。0―0の初回2死満塁。才木の高め145キロを押し返すと、打球は右中間を深々と破った。走者一掃の3点打。本塁送球間に一気に三塁を陥れた。

 17打席ぶりの「H」ランプは、“亀様”の御利益だったのかもしれない。試合前練習のフリー打撃でケージに向かう直前、陽は亀井のバットで数回素振りをさせてもらった。「カメさんがずっと打っているから、なんとか少しでも力を分けてもらおうと思って」。亀井はこの3連戦初戦にダメ押し2ランを放ち、2戦目は先制V打と、得点圏打率4割2分6厘で12球団トップ。そんな背番号9からパワーをもらい、長いトンネルを抜け出した。

 “亀懸かった”勝負強さは続く。3点リードの8回1死二、三塁。桑原に2球で追い込まれながらもファウルで粘り、最後は10球目、外角スライダーを左前へ運んだ。2者が生還。「必死でした。何とかバットに当てるということだけ考えていました」。日本ハム時代の16年6月25日オリックス戦(ほっと神戸)以来となる自己最多タイの5打点は、この日のチームの全得点。1人で全5点は、巨人では2000年7月28日の中日戦(ナゴヤD)の清原以来だ。高橋監督は「これをきっかけに、本来の姿を取り戻してほしい。このままでは、うちらも困るんでね」と、さらなる活躍を求めた。

 陽は開幕2カード目、4月3日の中日戦(ナゴヤD)で死球を受けて左手甲を骨折し、長期離脱を強いられた。ファームでのリハビリ中には、坂本勇から頻繁に電話をもらい励まされた。その坂本勇は左脇腹を負傷し、17日に登録抹消。電話で連絡を取ると「お願いします。チームを引っ張ってください」と頼まれたという。「僕ら中堅選手が引っ張っていかないといけない。勇人の期待に応えないと」。キャプテンが戦列復帰するまで、今度はダイカンが踏ん張る番だ。

 チームは今季2度目の7連勝とし、20日からは広島3連戦(マツダ)に臨む。指揮官は「このまま走らせるわけにはいかない。勝って、近づけるようにしたい」と号令をかけた。今季はここまで5戦0勝と苦しむ敵地での広島戦となるが、乗りに乗っている今なら、鬼門を突破できそうだ。(尾形 圭亮)

巨人

×