【巨人】東に力負け0・5差…由伸監督、就任初の会見拒否 

スポーツ報知
ベンチで厳しい表情の高橋監督(カメラ・矢口 亨)

◆巨人1―6DeNA(19日・東京ドーム)

 3位の巨人は相手先発の東に7回2死までパーフェクトに抑えられて完敗し、4位に浮上したDeNAに0・5差に迫られた。右打者8人を並べた打線が機能せず、マギーのソロ本塁打が飛び出すまで打線が沈黙しドラ1ルーキー左腕に今季5戦5敗。由伸監督は就任3年目で初めて試合後の会見を拒否した。投手陣も大和に初回先頭打者アーチ、ロペスに2発を浴びるなど投打で精彩を欠き、借金は今季最多の8に。東京Dでは97年以来、3度目のシーズン負け越しも決まった。

 由伸監督は試合後、会見を拒否した。就任3年目にして初めてだった。選手サロンはどんよりした空気が流れ、ナインは言葉を発しようともしない。DeNAに完敗―。この事実を受け止めようにも時間がかかった。歯がゆさ、情けなさ。すべてが入り交じった重たい時間だった。

 5戦5敗。わずか1年目のルーキー相手に、悲惨な結果が残った。7回2死までは一人の走者も出せなかった。完全試合の大記録を意識したDeNAファンは盛り上がり、そこでマギーの21号ソロ。6点差から1点返したが流れはこなかった。東が降板した8回までで、その1安打だけ。13年7月13日の中日戦以来の2番に座った長野は「せっかく2番で使ってもらったのに出塁できなくて申し訳ないです」と責任を感じていた。

 どんな“東対策”で臨んだのか―。全体で一つの球種を狙いにいった過去4試合とはうって変わり、この日は初めて、個々にスコアラーとミーティング。これまでのデータを参考に、カウント別の配球、傾向を伝えた。だが、東の変化球は真っすぐと判別しにくい軌道で変化してきた。志田スコアラーは「力が上と認めざるを得ない。変化球の使いどころとか(狙いは)大きくズレていないのにとらえきれない。力負けしていた」と脱帽した。

 試合後、吉村打撃総合コーチは「また明日がんばります」とだけ言い残した。一方で二岡打撃コーチは責任を痛感し、「真っすぐが走ってたのはあるし、ただ打てなかった事実はあるんで。こちらももっといい助言ができなかったかと、申し訳ない思いはある」と反省した。DeNAとは28日の残り1試合。東と再戦する可能性は低いが、来年のためにも徹底的な対策を練っていく必要がある。

 このふがいない敗戦により、9月は3勝7敗2分けで東京Dでの今季負け越しも決まり、4位・DeNAとは0・5差。8月18日に3位だった巨人は、4位・阪神とゲーム差なしに迫られても、それ以降なんとか4位に1差以上をつけたが、ついに土俵際に追い込まれた。由伸監督は試合後、約1時間で帰路についた。結局、一言も発することはなかったが、村田ヘッドが代弁した。「監督? あの内容では話すこともないと思う。申し訳ないしな。見せ場もなかったんやから」。無言を貫いたのは、“語るに足らず”という選手に向けたあえてのメッセージだろう。泣いても笑っても、ラスト9試合。このままでは後悔しか残らない。(水井 基博)

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