【巨人】マギー「監督には感謝の思いしかない」マツダへ「今の勢いをしっかり持ち込む」

スポーツ報知
4回無死、マギーがソロ本塁打

◆2018 マイナビ クライマックスシリーズ セ ヤクルト0―4巨人(14日・神宮)

 両手に残った最高の感触が、打球の行方を教えてくれた。マギーは歩いて打席を踏み出していった。高く、優雅な放物線を描いた白球が左中間席へ飛び込む。「腕の伸びたところで、しっかりと捉えられたよ」。一塁を回る前にパーンと両手を合わせ、ようやく走る速度を速めていった。

 虎視たんたんと待ち構えていた。1点リードの4回、先頭の打席。自分以外の打者も含めて、この日の原の傾向をつかんでいた。「今までの対戦よりスライダーが多かった。早いカウントからそれを狙っていた」。初球、狙い通り真ん中に入ってきた“獲物”を一振りで仕留めた。「打つ方向は意識せずに、来た球を強くたたくことだけ心がけた」。ポストシーズンでは楽天時代の13年10月21日のCS最終S第4戦・ロッテ戦(Kスタ宮城)以来の一発で、菅野をがっちりと援護した。

 酸いも甘いも知り尽くしているベテランを支えるものは、切り替えの早さだ。打っても打てなくても、試合後に必ず口にする言葉は「明日はまた新しい日が始まるんだから」。次なる下克上の舞台は昨年8月から1年間かけて、13連敗を喫したこともあるマツダスタジアム。だが「それはもう過去のことだから」と負の記憶も引きずらず、悲観しないメンタルは頼もしい限りだ。

 今季限りでの辞任を表明した由伸監督への恩返しをしたい思いは、助っ人砲の胸の中にも強くある。「監督には感謝の思いしかない。確かに広島は強いチームだけど、今の勢いをしっかり持ち込みたい」。必ず突破して、指揮官を男にする。(西村 茂展)

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