【巨人】原監督、丸に栄光の「背番号8」用意

スポーツ報知
現役時代、背番号8を背負った原監督

 巨人が、国内FA権の行使を表明した広島・丸佳浩外野手(29)に背番号8を用意していることが14日、分かった。この日、宣言選手が公示され、15日から交渉が解禁となるが、原監督は「時が来たらアクションは必ず起こすと思う」と参戦を正式に表明。近日中にも交渉を行うもようだが、原監督が現役時代に背負った伝統の番号を“切り札”に広島、ロッテとの争奪戦を制す。同じく、調査を続けていた西武・炭谷銀仁朗捕手(31)の獲得意思も正式に表明。積極的な補強を進めていく。

 原監督の熱い思いは、口調に表れていた。FA選手との交渉解禁日を翌日に控え、獲得調査を続けてきた丸について口を開いた。「ジャイアンツにとって非常に魅力のある選手。きちんと自分の意思は球団の方に伝えてあります。したがって時が来たらアクションは必ず起こすと思います」。これまでは明言しなかったが、山口オーナーから編成面も意向を全面的に尊重すると託された指揮官の、参戦表明だった。

 36歳の亀井、33歳の長野、31歳の陽ら外野陣の主力の高齢化が進んできたチームにおいて、丸はこのオフ、最大のターゲットだ。言わずと知れた昨季のセ・リーグMVPで、今季も打率3割6厘、39本塁打、97打点の成績を残し、広島のV3をけん引した。広島では「3番・中堅」を担っていたが、センターラインの強化や、1番・坂本勇、4番・岡本をつなぐ存在を必要としている巨人にとって、これ以上ない存在だ。

 近日中にも交渉に入るが、丸への最大の誠意として用意するのは、栄光の「背番号8」だ。原監督が入団した81年から現役を引退するまで背負った特別に思い入れのある番号を託すという。片岡治大(現ファーム内野守備走塁コーチ)が17年限りで現役引退後は空き番となっていたが、球界屈指のスラッガーこそ背負うにふさわしい。宣言残留を認めている広島や、丸の出身地・千葉にあるロッテとの争奪戦を、全力で制する。

 また、西武からFA宣言した炭谷への参戦も、正式に表明した。原監督は「巨人にはいい捕手もいるけれども、エース(捕手として)の経験という部分では刺激を入れる(必要のある)ポジション」と補強点であることを強調。今季、チームの最年長捕手は29歳の小林。球界屈指の強肩を誇るが打撃に課題があり、台頭しつつある大城も新人であるが故の経験不足は否めない。

 そこで長く西武の正捕手として君臨し、13、17年のWBCでは日の丸も背負った経験豊富な炭谷は「その考え方に合致した選手。ルールの中で積極的に動くと思います」と原監督は獲得に乗り出すことを明言。こちらも宣言残留を認める西武と一騎打ちの様相だが、炭谷にも捕手にふさわしい背番号を用意する方向で調整に入っている。

 両者との交渉に原監督は、時間が許せば直接出馬も辞さない構えだ。「当然、私も巨人の一員として、意思を伝えにいくことはあり得る」と自ら口説き落とす可能性も示唆した。来季、至上命題の5年ぶりV奪回に欠かせない2人に熱い思いをぶつけるつもりだ。

 丸はこの日、マツダスタジアムで自主トレを行った。午前中から姿を現し、マシン打撃、ウェートトレなど午後5時まで精力的に汗を流した。他球団との交渉が可能となる15日を控え「『どうなんだろうな』と思いますけどね。もし話があるのであれば、しっかり聞いて自分の中でいろいろ整理して考えたい」と熟慮していた。

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