【巨人】原監督、来季の先発陣は“ローテ・デスマッチ”で決める

スポーツ報知
ラジオ収録を行い、徳光和夫(左)さんとがっちり握手を交わす原監督

 巨人・原辰徳監督(60)が、来季の先発陣を“ローテ・デスマッチ”で決める構想を明かした。19年元日に放送される「開局60周年ラジオ日本新春スポーツスペシャル 徳さん×原監督 ジャイアンツ復権への道」(午前10時~11時放送予定)の収録で語った。先発候補を6組のペアに固定して競争させ、勝ち残った方だけをローテ入りさせる方針。一体、どんな競争なのか。

 5年ぶりのV奪回へ、原監督が異例のアイデアを披露した。徳光さんのG党を代表した問いに「(徳光さんは新公式ファンクラブの)アンバサダーですからね」とサービス精神たっぷりに、来季先発陣の構想を語っていった。

 来春キャンプに向けて、まずは2パターンの先発ローテをつくる。宮本、水野両投手コーチの発案の下、12投手を2人ずつ6組に分ける。そのペアをガチンコ対決させて、勝った方がローテに入るというデスマッチ方式だ。

 ペア同士は紅白戦、オープン戦などで同じ日に登板する見込み。選手はいやが応でもライバルを意識することになる。指揮官は現状で描く組み合わせの一部構想を明かした。

 「田口はブルペンで見てると、見栄えのするタイプではないけれど打者の手元にきて(動く)、すごく嫌な投手。これは今村との勝負でしょう。智之の相手は野上ですよ。山口は大竹。大竹も今年、給料が下がったんで来季は頑張りますよ」

 D、Eグループは岩隈、ドラ1左腕・高橋=八戸学院大=、1軍外国人4枠の制約も出てくるメルセデス、ヤングマンらを振り分ける見通しだ。さらに指揮官自ら「なんで聞かないんですか」とニヤリと笑ったFグループに来年の夢が詰まっている。

 「高田と大江。勝ち残った方がローテーションに入る確率は高い」

 ともに11月のMLBオールスター戦で登板するなど、近未来の巨人を担いうる来季高卒3年目の左右両輪を「秋は頑張りました。(ローテの)6枠に入るだけの力は十分ある」と認め、競争に加わらせた。

 このデスマッチは、開幕ローテで一定の決着がつくことになる。勝負に敗れた選手は、原則として、中継ぎに配置転換して1軍に加わることはない。なぜなら開幕後も、このペアリングを継続させるからだ。可能な限り、同日の1、2軍に分かれて登板させるという。

 「勝ち残った人がA、B、C、D、E、F(という1軍ローテ)になるとしたらば、裏A、B、C、D、E、Fまである。その人たちは、表の人たちが投げる時に(ファームの試合で)投げておけば、万が一、最初に選ばれた人たちがこけたとしても(その穴に入れるだけで)ローテーションは守られる」

 首脳陣の主眼は、ライバルをあえて明確にすることで競争を激化させ、チーム全体の底上げへと還元すること。「厳しさ」と「危機管理」を持ち合わせたプランでもあるのだ。

 指揮官が「2人とも良くて両方が出てくるケースもあるでしょう」と“例外”を示唆するように、両者とも結果を残せないペアがあれば、他のペアが2人ともローテ入りする可能性もゼロではない。例えばAグループの2人は今季の成績を見れば大きな差があるが、最高のアピールを続ければ野上にもチャンスはあるだろう。

 隣にいるのは仲間でもあり、ライバル。常勝軍団復活へ、指揮官のローテ選考に妥協はない。(西村 茂展)

 ◆徳光さんと対談胸の内語った 今回のラジオ日本の収録で原監督は、徳光和夫さんに第3次政権就任意向の全てを語った。今オフは“全権監督”として編成にも尽力した。コーチ人事の狙いは? FAで獲得した炭谷、丸ら戦力を整えるフロント業務の裏側とは? さらに捕手復帰を宣言した阿部の起用法、左殺し・山口鉄、神の足・鈴木尚といった原野球に欠かせない“スペシャリスト”の後継者問題まで、現在の胸の内を披露した。1月1日午前10時~11時に放送予定だ。

 ◆巨人の18年先発投手事情 開幕は菅野、田口、野上、山口俊、吉川光、大竹でスタート。8月までローテを守ったのは菅野と山口俊だけで山口俊は9月から抑え転向。6月以降は内海、今村が定着し、鍬原や高田も1軍先発を経験。7月以降はメルセデスやヤングマンも安定した投球を見せた。シーズン終盤は菅野、メルセデス、今村の3枚が軸。菅野がシーズン10完投、山口俊が6完投。チーム完投数21は12球団最多だった。

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