秋吉翔太、3差6位から逆転!初優勝で全英切符

スポーツ報知
初優勝を決めた秋吉は仲間から祝福のウォーターシャワーを浴びる(カメラ・泉 貫太)

◆報知新聞社特別協力 男子プロゴルフツアー ミズノオープン最終日(27日、茨城・ザ・ロイヤルGC)

 上位4人が全英オープン(7月19日開幕・英国カーヌスティGL)の出場権を得る大会は、3打差6位で出たプロ10年目の秋吉翔太(27)=ホームテック=が5バーディー、3ボギーの70で回り、通算1アンダーで初優勝を飾った。1位通過を果たした21日の全米オープン最終予選に続き、この1週間で2枚の海外メジャー切符を獲得。2位の小林正則(42)=フリー=、川村昌弘(24)=antenna=、マイケル・ヘンドリー(38)=ニュージーランド=までが全英行きの権利を手にした。

 国内ツアー史上最長に設定されたモンスターコースを、ブレイク中の27歳が制圧した。最終組のヘンドリーがパーパットを外し、初優勝が決まると「よっしゃ~!」と秋吉はアテスト小屋を飛び出し、14年賞金王・小田孔明や稲森佑貴ら九州出身の親交の深いプロたちから、ウォーターシャワーの手荒い祝福を受けて全身ずぶぬれに。「寒いですけど、優勝しないと味わえないので最高です」。まん丸い顔をほころばせた。

 世界規準のショットで、出場唯一の通算アンダーパーをマークした。圧巻はツアー史上最長705ヤードの16番パー5だ。残り171ヤードから9アイアンでの第3打をピン右2メートル半につけて伸ばした。「今日一番のバーディー」。5番ではアイアン型2UTで第1打を左のフェアウェーへ。ピッチングウェッジでの第2打を右4メートルに乗せて伸ばした。「ショット力には自信があるので、全英でもロングアイアンのショット力で戦いたい」と頼もしい。

 21日に36ホールの全米オープン最終予選を1位通過。その疲労を抱えたまま、6日後には初優勝&全英切符までつかんだ。夢のような1週間に「自分が一番ビックリしています。渡辺研太トレーナーのおかげで疲れは大丈夫でした。8000ヤードのコースで優勝できて自信になった。全英でも十分戦えると思います」とうなずいた。

 ずんぐりむっくりした体形で、出身地・熊本の人気キャラクター・くまモン似だ。ボールやバッグにはくまモンのロゴを入れている。「この優勝で知名度が上がってファンが増えてくれたら」。妻・静香さん(26)は松山英樹と中学、高校の同級生。「そりゃあ、松山に勝ちたいですよ」と1学年上の秋吉。“ゴルフ界のくまモン”が、日本男子初の海外メジャー制覇に初挑戦する。(榎本 友一)

 ◆秋吉 翔太(あきよし・しょうた)1990年7月22日、熊本県生まれ。27歳。10歳からゴルフを始め、鹿児島・樟南高では2008年国体少年男子個人で松山英樹を抑えて優勝。14、15年と下部ツアーで計3勝。昨年は日本オープンで自己最高4位など、賞金ランク43位で初の賞金シードを獲得。175センチ、85キロ。家族は妻と1男。

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