【有馬記念・武豊に聞く】キタサンブラック引退レース「最後に一緒に勝てれば、いや勝ちたい」
◆第62回有馬記念・G1(12月24日・中山競馬場、芝2500メートル)
―キタサンブラックと臨む最後のレース、有馬記念を迎えます。
「本当にいよいよだなという気持ちで、身の引き締まる思いです」
―心境の面で、いつもと違う部分はありますか。
「キタサンブラックですし、さらに引退レース。いろいろと思うところは強くありますね」
―最終追い切りに騎乗した黒岩騎手に、感触を確認しました。
「たまたま他の馬に乗っていてタイミングが一緒になったので『どうだった?』と。『いい追い切りができたと思います』と話していました」
―前走のジャパンC(3着)を振り返ってください。
「状態はすごく良かったと思います。スタートが決まったので、正攻法で進めました。直線半ばくらいでいい感じだと思ったのですが、上位2頭が強かったですね。残念な結果だったけど、馬の走りとしては悪くなかった。非常にレベルの高い走りだったと思います」
―この有馬記念がキタサンブラックの引退レースです。
「ファンが望んでいる競馬はやはり、先頭でゴールインすること。それに向けて、ベストを尽くしたいです」
―春秋のグランプリでは4回連続で、ファン投票1位に支持されました。
「人気の高さを感じるし、非常にありがたいです。そういう馬の主戦を任せられているのは、騎手としてもありがたい。まだ(グランプリで)1着がないので、最後でもあるし、今度こそという思いが強いです」
―有馬記念ではオグリキャップ(90年)、ディープインパクト(06年)の2頭の引退レースを優勝で飾っています。
「有馬記念は、活躍した馬の引退レースになるケースが多い。本当に注目度が高く、ファンも多い馬。デビュー以来、ずっといい走りを続けてくれてるし、最後に勝たせてあげたい思いが強いです」
―北島三郎オーナーから連絡はありましたか。
「特にないですね。言葉をかけられると、プレッシャーになるので(笑い)」
―キタサンブラックの強さを教えてください。
「デビュー当初は乗っていなかったけど、最初から期待されていたわけではないのに、常にトップレベルで走り続けて、結果も出して、すごい馬だと思います。一番すごいのは、結果を出すこと。サラブレッドとしての能力は、非常に高いと思います。一年に6回もG1を主役として走るのは、簡単なことではない。それに挑んで、今年だけでも3勝。改めて、すごいと思います。でも、最後が大事だと思います」
―勝てば、JRA・G1で史上最多タイの7勝目となります。
「僕自身、感謝が一番。感謝しかありません。非常に励まされた馬。最後に一緒に勝てれば、いや勝ちたいと思っているので、応援をよろしくお願いします」