【有馬記念・堀調教師に聞く】サトノクラウンに手応え「いい状態に持って来られた」

スポーツ報知
サトノクラウン(左)は併せ馬で先着。上昇気配は満点だ

◆有馬記念追い切り(20日・美浦トレセン)

 ―サトノクラウンの最終追い切りについて教えてください。

 「先週、まだちょっと鈍いところがあったので、今週、その部分を補っておこうと思いました。先週追い切った後、週末に速い時計を出さなかったので、追い切りと追い切りの間隔だとか、それから少し強めにやる必要があると言うことで、水曜追いでポリトラックで行いました」

 ―動きの見た感想はどうでしたか。

 「先週より動きがよくなっていて、いい状態に持って来られたかなと思っています」

 ―先週、今週と2週続けてニューポリトラックコースでの調教でしたが、狙いはどこにありますか。

 「大きな理由は2つあって、1つはメンタル面。この馬は走る気をどういうふうにコントロールするかというのが一番難しいんですけども、普段乗っているウッドチップコースだとか坂路にはすっかり慣れてしまっていて、フレッシュな感じがなくなり、自分でゴール板のところで気を抜いたりとか、そういう部分が目立ってきていました。そこで少し刺激を与えるためにポリトラックということと、あとはトモ(後肢)仙腸関節(せんちょうかんせつ)=注=が大きくずれている馬なので、競馬のあとは背腰の疲れが一番最後まで残ってしまう。そういった意味でもウッドよりもポリトラックの方が負担が少ない。その2つが大きな理由です。あとはうちの厩舎は、冬場は暖かい時間にしか追い切りをしなくなるんですけども、(遅い時間帯だと)ウッドの方もだいぶ荒れてしまっているという事情もあります」

 ―前走のジャパンCは10着でしたが、敗因はどこにありますか。

 「レース前、それからレース後もいろいろと検証してみましたが、状態は天皇賞・秋とほぼ同じ状態であったんじゃないかと思っています。馬場とペースの中での位置取りというところで、なかなかかみ合わなかったのかなという印象です。最後は1回脚を使ってしまうと、気の悪いところを出して、負ける時は大きく負けるというのがこの馬のパターン。悪いところが出てしまった。そういう意味でも、そんなに悲観はしていません」

 ―今回は中山・芝2500メートルに舞台が替わります。

 「良いと思いますし、坂も苦にしないと思います。ただ、2500メートルはちょっと長いと言う気はします。その辺は工夫が必要だろうなと考えています」

 ―工夫とはどういったところでしょうか。

 「相手関係、枠順、あと一番大きいのは馬場状態だと思います。その辺をよくジョッキー(ムーア)と話し合いをして、作戦を立てたいと思います」

 ―今回はデビュー2戦目以来となるムーア騎手とのコンビです。

 「前走後の敗因とか、ジャパンCには彼も乗っていましたので、レースの中で感じたことなどの話はしましたが、まだイギリスに帰ってますので、このレースに向けての話はまだしてないです」

 ―ファンに向けてのメッセージはありますか。

 「いろいろ繊細なところのある馬ですけども、この後もなるべく良い状態で出走させるように努めて、ホースマンシップに乗っ取ったいいレースを見せられればと思っています」

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