【共同通信杯】グレイル無傷3連勝へ好反応!大きなフォームで2馬身差先着

スポーツ報知
武豊を背に大きく先着したグレイル

◆共同通信杯追い切り(7日・栗東トレセン)

 共同通信杯(11日、東京)でデビュー3連勝を目指すグレイルが7日、軽快な動きで上々の仕上がりをアピールした。

 推進力の伝わる動きだった。グレイルは栗東・CWコースでノースウッド(6歳1000万)を3馬身半追走すると、内に進路をとった直線で武豊の仕掛けに俊敏な反応。前肢を大きく使ったフォームで加速すると、2馬身突き放してのフィニッシュだった。「動きはいいんじゃないかな。折り合いがついていたと思う」と野中調教師は満足そうな表情を浮かべた。

 未完の大器なのかもしれない。新馬、京都2歳Sと無傷の2連勝ながら、武豊と野中師は「まだまだ緩い」と口をそろえる。だからこそ、昨年末には短期放牧から早々と帰厩。約1か月半にかけて、坂路で9本、CWコースで3本も時計を出すなど乗り込んできた。

 「先週、またがったけど、左右のバランスが改善されて、良くなった。ただ、同世代なら他馬の方がバランスはいい」と野中師は冷静に分析した。前走の京都2歳Sは開業10年目で2歳重賞初制覇。馬の成長に合わせ、無理をさせずに大事に育てる厩舎の方針(注)を考えると、早い時期から結果を出せたのは高いポテンシャルを備えているからにほかならない。

 少し早めの始動戦になったのは、先を見据えて、体質面を考慮したからこそ。「(報知杯)弥生賞からとなると、その次(皐月賞まで)がタイトになってくる。余裕を持って、レース後のケアをしたいからね」とトレーナー。今後は皐月賞、日本ダービーへ向かうが、その調教過程に前哨戦的な雰囲気はみじんもない。連勝ロードを伸ばしてクラシックの主役へ名乗りを上げる。(山本 武志)

 【注】野中厩舎は08年3月の開業から、2歳重賞を使ったのは6戦のみ。それまではエイシンキサナドゥによる13年小倉2歳Sの5着が最高だった。馬を大事に育てる方針の厩舎で、12年には10歳馬のトウカイトリックでステイヤーズSを勝っている。

<武豊に聞く>

 ―今日の最終追い切りでまたがった感触はどうでしたか。

 「動きはよかった。先週やっているのでサラッとした追い切りだったけど、態勢は整っていると思います。早くから(始動戦が)ここと決まっていたし、バッチリじゃないですか」

 ―以前より成長を感じる面はどのあたりですか。

 「左右のバランスは良くなっているけど、まだまだかな。体が緩い。他の3歳に比べても、ゆっくりなのかなという感じ」

 ―そのような状態でデビューから2戦2勝です。

 「同じ競馬場、距離だけど、馬場が全然違うからね。それでもしっかり結果を出してくれた」

 ―過去2戦はいずれも京都。東京は初めてになります。

 「東京は向いてそうな気がする。クラシックへ向けて、楽しみになるような結果が欲しいね」

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