【共同通信杯】オウケンムーン、オウケンブルースリ産駒重賞初挑戦V!

スポーツ報知
3連勝でクラシック候補に名乗りを上げたオウケンムーン(右)。良血馬を蹴散らした

◆第52回共同通信杯・G3(2月11日、東京競馬場・芝1800メートル、良)

 第52回共同通信杯・G3が11日、東京競馬場で行われ、6番人気のオウケンムーン(北村宏)が3連勝で重賞初制覇を果たした。今回が重賞初出走と、地味な存在だったオウケンブルースリ産駒が、クラシックの舞台へと駆け上がる。

 伸びあぐねる人気馬を尻目に、6番人気のオウケンムーンが力強くストライドを伸ばしていく。縦長の展開を絶好位の5番手で進め、残り150メートルで先頭へ。ラストまでスピードを鈍らせることなく、3連勝のゴールへ飛び込んだ。

 「(直線)坂下の反応が良かった。それに東京は合うのではないか、と思っていた」と北村宏は胸を張る。初の府中で期待通りのパフォーマンスを発揮。「調教は動かないけど、徐々にまとまってきた」と成長を口にした後、「お世話になっている国枝厩舎で重賞を勝ったのは初めて」と静かに喜びをかみしめた。

 派手さはなくとも、結果は残す。「迫力がないんだけどね。実戦向き。やるときはやるタイプだな」と国枝調教師が語るように、陣営にとって飛び抜けたスケールを感じさせる馬ではない。新馬戦は8番人気で4着。そこから怒とうの3連勝で一躍、クラシック候補に名乗りを上げた。

 父オウケンブルースリは08年の菊花賞覇者。中央所属の現役馬(3、4歳)はわずか7頭で、重賞は今回が初出走だ。父も所有していた福井明氏にとって、格別な勝利だったのだろう。「オーナーは『涙が出るほどうれしい』と言っていた。オウケンブルースリ産駒でクラシックか。競馬は面白いよな」と国枝師は笑う。今後は皐月賞(4月15日、中山)への直行が有力。マイナーな血が春の大舞台を盛り上げる。(豊島 俊介)

 ◆オウケンムーン 父オウケンブルースリ、母ムーンフェイズ(父エリシオ)。美浦・国枝栄厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算4戦3勝。総収得賞金は5175万5000円。重賞初勝利。馬主は福井明氏。

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