【フェブラリーS】平田調教師自信!ムーア騎手でゴールドドリーム連覇だ
◆第35回フェブラリーS・G1(2月18日・ダート1600メートル、東京競馬場)
2018年JRA最初のG1・第35回フェブラリーSが18日、東京競馬場で行われる。17年度の最優秀ダートホースに選ばれた昨年の覇者ゴールドドリームは、ベストの東京マイル戦で引き続き英国の名手ライアン・ムーア騎手を鞍上に据えて万全の態勢を整えた。史上初のJRA・ダートG1・3連勝を手土産にドバイ・ワールドC参戦を視野に入れる平田調教師に、意気込みなどを聞いた。(取材、構成・内尾 篤嗣)
―17年の最優秀ダートホースに輝いたゴールドドリームはJRAダートG1・3連勝がかかります。
「昨年はチャンピオンズC(12着)で負けての参戦だったけど、今年は勝っての参戦です。最優秀ダートホースになって注目される立場なので、いい競馬をしたいと思っています」
―前走のチャンピオンズCでは素晴らしい脚で差し切りました。レースを振り返ってください。
「レース前にライアン(ムーア)と打ち合わせをした通りの競馬ができました。この馬の競馬に徹したのですが、先行馬のペースになっても、それを一気に差し切ったのだから着差以上に強かったと思います」
―そのムーアが今回も騎乗します。平田調教師から見て、素晴らしい点はどのあたりでしょうか。
「すごいジョッキーで、難しい馬をなだめるのが上手だと思います。チャンピオンズCは押して行っても引っかかりませんでした。そして追ってから膝の姿勢、使い方が違います。だから最後の伸びが違ってきます。人馬一体の感じが本当に素晴らしい。そんなライアンが今回も乗ってくれるのは心強いです」
―課題のゲートは改善されつつあるように感じます。
「南部杯(5着)で大出遅れをしてしまいました。ゲートの中で暴れたのは南部杯だけで、もしかしたら盛岡のゲートが合わなかったのかもしれません。でも、再発を防ぐため、チャンピオンズCに向けてビッシリ練習しました。その成果でスタートはこの馬なりに良くなっていました」
―G1初制覇となった昨年のフェブラリーSも振り返ってください。
「直線で先頭に立って『よっしゃ!』と思ったら、ベストウォーリア(2着)が内から伸びてきてヒヤヒヤしました。際どかったけど勝てて良かったです。勝った昨年を踏まえ、今年もチャンピオンズCからレースを挟まず直行で挑みます」
―ゴールドドリームの一番すごいと思う点はどのあたりでしょうか。
「見ての通り末脚でしょう。ダートで切れる馬って、あまりいませんから。折り合って自分の競馬をすれば、最後は確実に伸びてきます」
―今回のライバルを、どのように分析しますか。
「現在のダート界は多士済々の戦国時代。テイエムジンソクは力のある馬。ケイティブレイブは地方交流でいつも負けている天敵です。ノンコノユメが根岸Sで復活したし、サンライズノヴァも強い馬ですから。コパノリッキーが引退しても力のある馬が何頭もいます」
―7日の1週前追い切りは栗東・坂路で51秒1―12秒1の好時計。1月17日に帰厩してから調整は順調に映ります。
「その前の週はサラッと馬なり(1月31日に坂路で54秒4―13秒5)で、1週前はしっかりやりました。動きが良く、順調にきています」
―ドバイ・ワールドC(3月31日、メイダン競馬場)への招待状が既に届いています。2年連続の参戦の可能性はありますか。
「それは今回のG1が終わってからの話。オーナーと相談して、どうするかを決めたいです」
―最後に意気込みを聞かせてください。
「東京のマイルはベストの舞台。広くて直線の長いコースは一番いい条件です。東京ではそんなに出遅れたことはないので、芝からのスタートがいいのかもしれません。今回も大きく出遅れなければ、チャンスがあると思っています」
◆平田 修(ひらた・おさむ)1960年5月29日、京都府生まれ。57歳。84年1月に厩務員として内藤繁春厩舎に入る。同年11月から調教助手。94年森秀行厩舎、98年橋口弘次郎厩舎、石坂正厩舎を経て05年に調教師免許を取得。06年に開業し、JRA通算295勝。重賞は昨年のフェブラリーS、チャンピオンズC(いずれもゴールドドリーム)、12年NHKマイルC(カレンブラックヒル)のG1・3勝を含む16勝。