【報知杯フィリーズレビュー】沖調教師19年ぶり&最後のクラシックへ、アリアで“桜切符”取る!

スポーツ報知
桜花賞出走を目指し、報知杯FRに挑むアリアはリフレッシュ効果十分

◆第52回報知杯フィリーズR・G2(3月11日、芝1400メートル・阪神競馬場)

 桜花賞トライアルの第52回報知杯フィリーズレビュー・G2(11日、阪神=3着まで優先出走権)に、来年2月末で定年引退する沖芳夫調教師(69)=栗東=が同距離のなずな賞を制したアリアを送り込み、“桜切符”を狙う。春のクラシック参戦となれば、99年菊花賞馬ナリタトップロードの日本ダービー以来、19年ぶり。桜花賞は27年ぶり2頭目となる。

 ラストシーズンに華を添えたい。99年菊花賞など重賞7勝のナリタトップロードを始め、数々の名馬を手がけてきた沖調教師は来年2月末で定年引退する。87年に開業してから32年目、最後のクラシックロードへ熱い期待をかけるのがアリアだ。「実績ある1400メートルの距離。この相手でどれだけやれるかですね」とずっと変わらない穏やかな表情から笑みがこぼれた。

 前走のなずな賞は中団でタメを利かせて、鮮やかな差し切り勝ち。その後は昨年9月から在厩調整を続けていたため、3週間短期放牧に出したが、リフレッシュ効果は大きかった。「放牧前に比べて、(調教での)ラスト1ハロンでのハミがかりが良くなっています」と担当の大久保助手。万全の状態で大一番を迎える。

 人の絆も後押しする。沖師が競馬界に入る前、東京農業大学時代の2つ上の先輩が、同馬の樋口稔オーナー。一口馬主をしていたことなどから再会し、個人馬主となって2頭目の所有馬がアリアだ。「馬主はやめた方がいいと言ったんだけどね」と苦笑い。約半世紀にもわたる“縁”が大きな実を結ぼうとしている。

 3歳春のクラシックG1出走となれば、ナリタトップロードの99年日本ダービー(2着)以来。桜花賞はヤマヒサエオリアの91年(6着)以来、実に27年ぶり2度目になる。「ステイヤータイプの馬が好きなんです。のんびり育てるというかね」と振り返るが、今年は手の届くところに桜の晴れ舞台がある。「何とか権利を取ってほしい」。静かな口調の中に秘めた強い思いで、桜切符を引き寄せる。(山本 武志)

 ◇前走500万組 過去5年の報知杯FRは前走で500万条件を使った組の活躍が目立つ。13、15~17年と4勝をマーク。2着2回、3着にも1回入っている。3着以内に入った7頭のうち6頭は前走でも1着で、引き続いての好走だった。今年も勢いのある馬には要警戒だ。

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