【金鯱賞・内尾が見た】サトノダイヤモンド、ラスト11秒9!凱旋門賞以来の復帰戦へ体は戻ったけど心は?

スポーツ報知
ルメールを背にしたサトノダイヤモンド(右)は、ベルーフに2馬身先着した

◆金鯱賞追い切り(7日・栗東トレセン)

 第54回金鯱賞・G2(1着馬に大阪杯への優先出走権)の追い切りが7日、東西トレセンで行われた。一昨年の菊花賞、有馬記念を制したサトノダイヤモンドは、大敗を喫した昨秋の凱旋門賞以来の復帰戦。気になる復調度合いを、鞍上のルメール、池江調教師の感触も含めて、内尾篤嗣記者が「見た」でひもといた。

 16年の菊花賞、有馬記念を制したサトノダイヤモンドは、格で言えば横綱の立場。先々週、先週と2週続けて追い切りで遅れを取ったことで心配の声が出ていた。注目を集めた最終追い切り。栗東・CWコースをゆったりした脚さばきで駆け、直線ではベルーフ(6歳オープン)を内からかわし2馬身先着。6ハロン84秒1―11秒9とスムーズに伸びフィニッシュした。

 追い切り後、ルメール騎手を取材すると、第一声は「大丈夫だと思う」。15着と崩れた昨年10月の凱旋門賞から疲れは取れたと感じているようだ。「反応が良かった。ストライドが大きく、長くいい脚を使っていたね。ラスト1ハロンは11秒台の時計が出ている。いい追い切りだった」と肉体面は合格とジャッジした。

 ただし、帰国初戦で5か月半ぶり。大敗が尾を引いていないかが取捨選択のカギになる。「あとは心の部分がどうかだけ。レースに行ってみないと分からない部分がある」とルメールは精神面を気にかけ、池江調教師も「上がり重点で動きは何の問題もないけど、競馬ではテンのスピードが全然違う」と慎重に言葉を選びながら話した。

 この後は大阪杯・G1を視野に入れる。「見た目は過去最高。喉に関しても問題ない」とトレーナーは体調には太鼓判を押す。あくまで叩き台のG2。100%とはいかなくても、格好をつけるのが日本のエースだ。キタサンブラックが宝塚記念(9着)のショックを吹き飛ばして天皇賞・秋を勝ったように、復活を待ち望むファンは多い。ダイヤが横綱のメンタルを取り戻し、再び輝きを放つか。(内尾 篤嗣)

競馬

×