【若葉S】G1馬タイムフライヤー異例のオープン特別始動“新マツクニローテ”で皐月賞は100%だ

スポーツ報知
オープン特別から始動し、クラシックへ挑むG1馬のタイムフライヤー

◆若葉S(3月17日・芝2000メートル、阪神競馬場)

 皐月賞(4月15日、中山)トライアルの若葉S(17日、阪神=2着まで優先出走権)に、昨年末のホープフルS・G1を制したタイムフライヤーが登場する。G1馬をオープン特別から始動させる松田国英調教師(67)=栗東=がその意図を明かし、クラシック制覇へ懸ける強い思いをにじませた。

 ホープフルSを制したタイムフライヤーが、若葉Sで注目の始動戦を迎える。G1ホースがオープン特別から始動するのは異例だが、そこには日本ダービー2勝を誇るトレーナーにより綿密に練られた戦略があった。

 松田調教師は決断の理由について「トライアルは3つあるけど、中山だと遠征の疲れがあるし、相手が強いから相当仕上げないといけません。目標の皐月賞、ダービーで勝つことが一番大事。だからハードルを下げて近場の競馬から使うことにしました」。本番に100%の状態で向かうため、ダノンプレミアムなど世代トップクラスの牡馬が集結した報知杯弥生賞をパスし、負担が少ない阪神からの発進を選択した。

 デビュー2戦目で初勝利を挙げたルメールとコンビを組む。2月28日に栗東・CWコース(7ハロン98秒2―11秒9)、先週11日には坂路で55秒1―12秒6と、2週連続の騎乗で感触を確かめてきた。「エンジンがかかるまで時間がかかるけど、反応が少し遅いことは心配していない。ホープフルSでは完璧なレースをしていた。素直な感じですごく能力は高い」とルメールも自信を深めている。

 先を見据えた仕上げとはいえ、内容ある勝ち方が求められる立場。「ここできっちり勝たないと本番では話にならないと思います。もう一回、ダービーを勝ちたいです」と松田師。貫禄を示してクラシックへと駒を進めたい。(内尾 篤嗣)

 ◆マツクニローテ 松田調教師は2001年のクロフネで初めて、路線がまったく異なるNHKマイルCから中2週で日本ダービー(2400メートル)へ向かうローテを採用した。この2つの距離を勝って種牡馬としての価値を高めることが目的で、同馬は1着→5着だったが、翌02年のタニノギムレットは皐月賞3着→NHKマイルC3着→日本ダービー優勝。04年にはキングカメハメハがNHKマイルCと日本ダービーをそろって制覇した。型破りながらも新たな道を切り開いた同師のローテは、マツクニローテと呼ばれた。

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