【古谷剛彦・こちら日高支局です】ハッピーグリン、「第二のコスモバルク」目指す

スポーツ報知

◆第67回スプリングS・G2(3月18日芝・1800メートル、中山競馬場)

 皐月賞(4月15日、中山競馬場)トライアルの第67回スプリングS・G2(3月18日、中山=3着まで優先出走権)にホッカイドウ競馬から参戦するハッピーグリン(牡3歳、父ローエングリン=北海道・田中淳司厩舎)の追い切りが13日、北海道・門別競馬場の屋内坂路で行われた。地方競馬に精通する古谷剛彦氏のコラム「こちら日高支局です」の特別版として同馬の追い切りをチェックした。3着以内に入れば、2004年皐月賞に参戦したコスモバルク以来、14年ぶりのホッカイドウ競馬所属馬の出走がかなう。第2のコスモバルクが誕生するか注目だ。

 ハッピーグリンは服部茂史騎手(レースは大野拓弥騎手)を背に、屋内坂路の2本目を3ハロン36秒0―2ハロン23秒8―1ハロン12秒3で楽々駆け上がり、調子の良さをうかがわせた。

 「1週前(6日)に坂路3本目を最初から飛ばし、最後もしっかり追って負荷を掛けたので、今週はそんなに時計を出すつもりはありませんでした。予定より時計が速くなってしまったのは誤算でしたが、全くの馬なりでしたから、大丈夫かなと思います」と田中淳師。1週前の追い切り日と、最終追い切り前日に坂路3本駆け上がる調整パターンは、中央で初勝利を挙げた前走のセントポーリア賞と同じ過程だ。

 「中央馬と互角以上に戦ううえで、負荷をしっかり掛けることが大事だと思い、前走で勝てることができました。今回も同じパターン、そして追い切りの騎乗者(1週前は山本咲騎手が騎乗)も同じように調整しています」と成功パターンを生かしてトライアルに挑む。

 今回の課題は、前走で拒んだゲート入りにある。「今までそんな心配もなかったので、環境の変化によることが大きかったと思います。16日に中山競馬場でゲート練習があるので、前走より1日早く門別を出発(14日夕方を予定)することもあり、状態面だけでなく、テンションを上げないように工夫しながら調整してきたつもりです」

 川崎、東京、そして今回の中山と、3戦連続で長距離輸送による競馬が続く。「ダメージが心配されましたが、馬体重が減ることもなく、カイバ食いなどを見ていても疲れが見られなかったので、乗り出しも早く、次の目標に向かえることができました。最終追い切りまではほぼ予定通りに進んでいますし、何とか皐月賞の出走権利を取って、地方競馬の関係者が夢を持てる結果を残せればと思っています」と、田中師は地方競馬の思いを胸にクラシックの切符を目指す。3着以内に入れば、報知杯弥生賞制覇で出走権を手にしたコスモバルク以来、14年ぶりのホッカイドウ競馬所属馬のクラシック出走がかなう。(競馬ライター) 

 ◆コスモバルクの道のり 03年にJRA初参戦の百日草特別と、ラジオたんぱ杯2歳Sを連勝したザグレブ産駒。3歳初戦の報知杯弥生賞を制して皐月賞の優先出走権を獲得した。ホッカイドウ競馬所属としては初めてのクラシック出走。本番は1番人気でダイワメジャーの2着に敗れたが、日本ダービー(8着)、菊花賞(4着)と牡馬クラシック3冠競走を皆勤して、旋風を巻き起こした。

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