【阪神大賞典 内尾が見た】クリンチャー、ついに本格化!調教でも時計が出せるようになった

スポーツ報知
坂路を軽快に駆け上がったクリンチャー。調教でも時計が出るようになった

◆阪神大賞典追い切り(14日、栗東トレセン)

 第66回阪神大賞典・G2(18日、阪神)の追い切りが14日、東西トレセンで行われた。新たに武豊とコンビを組むクリンチャーが好時計を刻み、本格化の気配を漂わせた。

 かつては調教で目立つ動きを見せる馬ではなかった。この日のクリンチャーは栗東の坂路を単走で徐々に加速。前走の京都記念まで主戦を務めていた藤岡佑がリードし、大きなストライドで1ハロンごとにラップを縮めていく。14秒2で入って13秒5、12秒6、12秒4と理想的な右肩上がりの時計。最後の急傾斜をトップスピードで駆け上がり、52秒7を出した。

 満面の笑みを見せた宮本調教師の表情がすべてを物語っていた。「ゆったり走って、とてもいい動きに見えました。追い切り後に確認したけど、いつものクリンチャーですね。坂路で苦労して56秒ぐらいだった1年前とは全然違います」と絶賛。すみれS(昨年2月)の最終追い切りは坂路をいっぱいに追われて55秒8―12秒7。当時が重馬場だったとはいえ、調教の動きがガラリと変わったのは確かだ。

 以前は前脚と後脚で手前が違う不正駈歩(ふせいかけあし)が出るなど、ウィークポイントがあった。放牧先の鳥取・大山ヒルズで入念に立て直した効果が着実に出始めている。「菊花賞(2着)のあと、じっくり休ませてたくましくなりました。精神的にも強くなり、トモ(後肢)を中心に体がしっかりしてきました」と宮本師は成長を実感していた。

古馬戦線主役だ あとは頼もしいパートナーに託すだけ。新たにコンビを組む武豊は「1週前追い切りで乗ったけど、動き(7日にCWコースで自己ベストの6ハロン78秒1―13秒1)が良かった。いい競馬をして春の天皇賞に向かえたらと思う」と闘志を見せる。伏兵のイメージが強いディープスカイ産駒だが、前走の京都記念でG1馬4頭を撃破。一躍古馬路線の主役に躍り出た4歳馬から目が離せない。(内尾 篤嗣)

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