【大阪杯】横山典騎手、ミッキースワロー順調アピール!

スポーツ報知
ミッキースワローのポテンシャルにほれ込む横山典

◆第62回大阪杯・G1(4月1日、阪神競馬場・芝2000メートル)

 第62回大阪杯・G1は4月1日、阪神競馬場の芝2000メートルで行われる。G1昇格2年目を迎えた今年、横山典弘騎手(50)=美浦・フリー=は、昨年のセントライト記念勝ち馬ミッキースワロー(牡4歳・美浦・菊沢隆徳厩舎)で参戦する。G2時代の2016年にアンビシャスで制しているベテランに、パートナーへの思いなどを聞いた。(石野 静香)

 ―ミッキースワローで昨年の菊花賞(6着)以来となるG1に挑みます。

 「順調だよ。順調、順調。何も心配するところはない」

 ―初コンビだった昨年のセントライト記念は、強烈な末脚で皐月賞馬アルアインを破りました。

 「初めて乗せてもらった時から、ちょっとびっくりするような、俺のなかでは『ああ、すごい馬なんだな』というのを感じた。攻め馬ではそうでもないんだけど。インパクトのあるレースを、いきなり重賞でできた。こんな馬はなかなかいない」

 ―2週続けて追い切りに騎乗。状態は?

 「どんどん良くなっている雰囲気。スワローは今、ハッピーな状態だと思うよ。状態が悪かったら楽しく走れないはずだから。馬を見たり乗ったりしても、馬はやる気満々だからいいんじゃないの。順調にいってくれれば、何もいらない」

 ―「順調」の言葉に込める意味は。

 「簡単に言うけれど、順調というのは本当に難しいこと。馬は生き物だから、ついさっきまで元気だったのに骨折しちゃう時もある。そういう怖さも知っているから。スワローについては歩様が乱れたとか熱が出たとか、何もない。すくすくと順調に育っている。あとは勝負の世界だから、勝つか負けるかは色々な要素があるけれど、順調にきているから、そのうち大きいところは間違いなく勝つだろう。その順調さがうまくいかないと、勝てる馬もおかしくなっちゃう。昔から『無事之名馬』という言葉があるように、無事にいけば名馬になれたのに、壊れたらそこで終わり。だから馬が訴えることを少しでも感じたい。セントライト記念の後は負けているけれど、あの競馬を見れば、いつかは大きいところを勝てると思っている。それだけのインパクトがあっただろう?」

 ―大阪杯はG2時代の16年にアンビシャスで制しています。

 「次の年からG1なんて、ずるいよな(笑い)。あれはメンバー的にG1だよ。キタサンブラック(2着)も負かしているのに…。競馬ってそんなもんだよ。自分のなかでアンビシャスはすごい馬だったよ。もったいない馬だったな。なぜかは言わないけど、もったいない馬だった」

 ―今年は2月24日の中山8R(メンデンホール)で小島太元調教師の騎手&調教師1500勝を決めるなど、勝負強さが目立ちます。

 「あんなに際どいと思わなかった(写真判定の末、鼻差で勝利)けれど、負けるわけないと思った。フトシさんも俺もダービー2つ勝ってる。強運の2人が組んで、記録もかかっていたあのシチュエーションで、鼻負けはないと思った。自信というより、結局、運ってそんなもんだよ。最後のフトシさんの輝きはあそこだったかな。フトシさんもそうだし、先輩たちが馬を教えてくれた」

 ―今年で騎手生活33年目。競馬に対する熱い思いはずっと変わらない。

 「言いたくても言えないこともあるし、うまく伝わらないこともある。書く方の大変さも知っている。馬の最高のパフォーマンスを見せることが俺の一番の仕事で、それはギャンブルでもある。全てはこの馬の最高の走りをするために、勝つためにはこれだろうという、俺のなかでのギャンブル。大逃げもそうだし、後ろから行くことに対してもそう。レースを見たり、展開やいろんなことを組み合わせて、その時の馬の雰囲気を見てやることだから。そのためには馬が順調に競馬場まで来ることが大切。あとは俺が馬の一番いい走りを引き出すだけ」

 ◆横山 典弘(よこやま・のりひろ) 1968年2月23日、東京都生まれ。50歳。1986年に美浦・石栗龍雄厩舎所属でデビューし、2000年からフリー。JRA通算2700勝。重賞は2014年日本ダービー(ワンアンドオンリー)などG1・26勝を含む166勝。大阪杯はG2時代を含めて10回騎乗し【1315】と好相性。父の横山富雄さん、兄の横山賀一さんは元騎手で、長男の横山和生(24)=美浦・フリー=、三男の横山武史(19)=美浦・鈴木伸厩舎=は現役騎手。163センチ、49キロ。血液型O。

 <菊沢調教師「力試しの一戦」>スケールアップした姿が見られそうだ。ミッキースワローは昨年の菊花賞(6着)以来となるG1参戦。「当時より心身ともに良くなっているのは確か。このメンバー相手にどこまでやれるかな。力試しの一戦でしょう」と菊沢調教師は慎重さをのぞかせつつも、期待に胸を膨らませている。

 火曜朝は美浦の北角馬場で運動。「いい意味で気合も入ってきた。仕上がっているので明日は単走でサラッとやる感じ」と必要以上に刺激を与えることなく、現状の好気配をキープする方針だ。学生の春休み期間で渋滞の恐れがあることから、木曜夜に出発予定。万全の態勢で大一番に臨む。

競馬

×