【桜花賞 騎手&調教師Vへ幹夫師の桜】ライラック、高い心肺機能で無敗V&その先にある高みへ!

スポーツ報知
咲き誇る桜の下を悠々と歩くラッキーライラック

◆第78回桜花賞・G1(4月8日、阪神競馬場・芝1600メートル)

 2歳女王が、まだ連勝を積み上げる前の2歳秋だ。ラッキーライラックのある日の調教シーンが、調教師の松永幹夫には忘れられない。

 「2歳牝馬にはCWコースを2周するメニューでもハードだけど、その時、後ろから他厩舎の馬に追いかけられる形になって。そのまま、2周半いったんですよ」

 栗東のCWコースは1周1600メートル。だから、計4000メートルだ。昨年引退したキタサンブラックで話題を集めた坂路(全長1085メートル)の一日3本乗りが、計3255メートル。勾配があるぶん負荷は違うが、タフさが分かる。

 「前進気勢がすごい。それくらい、走ることに前向きです。もともと馬格はあったけど、最初から『走るな』という感じではなかったです。速い調教を進めていくうちに、フットワークがどんどん良くなりました。全身を使って走れるのが良さ。見た目にも首を良く使えているし、本当に走り方がいいんですよ」

 松永が担当助手に指名した丸内永舟(えいしゅう)は、これまでアウォーディーやラニなど厩舎の功労馬を手がけてきた腕利き。その丸内も証言する。「車でいう4速のままなら、いくらでも走れる感じ。普段から普通にCWコースを2周走っているくらいだから、まだ競馬の方が苦しくないんでしょう」

 500キロ近い恵まれた体格に、高い心肺機能と前向きな性格。この土台が並の牝馬ではとても無理な毎週火、土曜のCWコース2周追いを可能にし、一層の力を蓄えてきた結果の4連勝だ。ただ、松永の言葉に驚く。

 「桜花賞までは1600メートルを目標に置いてきたけど、長い距離を見てみたい。もっといいパフォーマンスになるのでは、と思うんです。今回走ってくれれば、今後が本当に楽しみになります」

 決して松永は、ここを甘く見ているわけではない。ただ舞台も能力も、最高のものはまだ先にあると感じている。それだけの大器だ。夢の第一幕の幕開けが迫る。(宮崎 尚行)=おわり、敬称略=

 <松永幹夫調教師「リズム良く走っていた」>○…ラッキーライラックは3日、栗東のCWコースを2周して、翌日の最終追い切りに備えた。松永幹調教師は「リズム良く走っていました。1回使って前進気勢が強くなってきている。冬毛も抜けて状態はいいと思います」と体調の良さを感じていた。

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