【福島牝馬S】福山競馬から移籍6年目の岡田、エンジェルフェイスでJRA重賞初Vを狙う

スポーツ報知
重賞初Vのチャンスが巡ってきた岡田

◆第15回福島牝馬ステークス・G3(21日・芝1800メートル、福島競馬場)

 第15回福島牝馬ステークス・G3が21日、福島競馬場で行われる。エンジェルフェイスに騎乗の岡田祥嗣騎手(46)=栗東・フリー=がJRA重賞初制覇を目指す。現在では廃止となった福山競馬から移籍し、JRA6年目のベテランに意気込みを聞いた。

 ―まずは皆を驚かせた今年の新春ステークス(1月13日、京都)について。エンジェルフェイスは1年ぶりの復帰戦で、9頭立てのメンバーで最低人気の勝利。単勝73・2倍ながら堂々と逃げ切りました。

 「藤原(英昭)先生の指示通り、ハナを切って逃げることができました。以前、フラワーカップ(16年3月)で逃げ切ったように先手を取って自分の形ならしぶといです」

 ―現在26勝を挙げてリーディング独走の藤原英厩舎は、これが今年初勝利。「岡ちゃんが勢いづけてくれた」とスタッフは感謝しきりでした。あれから3戦ぶりのコンビ。現在の仕上がりは。

 「僕が勝ったときは1年ぶりで、長期休養明けを3回使ってきました。この中間、調教に乗ってきて上積みを感じます」

 ―新春Sの勝利は岡田騎手にとって目標にしていた2000回目の勝利(地方所属時に1968勝、中央移籍後に26勝、JRA交流で6勝)となりました。

 「地方でデビューしたときは2000勝という漠然とした目標はあったけど、中央に来てからはメモリアル勝利の意識はあまりなかったんです。でも、エンジェルフェイスで勝って、達成できたんだなと思ったときは本当にうれしかったです。後輩ジョッキーにお祝いをしてもらいました。鮫島兄弟、川須、高倉、岩崎、城戸、平沢騎手らの心遣いがうれしかったです」

 ―エンジェルフェイスを管理する藤原英昭調教師との出会いは。

 「移籍当初に所属していた笹田調教師、岩田騎手とのつながりもあり、中央に来た当初からお世話になっています。僕は馬術経験はなかったのですが、厩舎の馬を調教するにあたって藤原先生の指導をみっちり受けました。それがすごく新鮮でした」

 ―先週は皐月賞制覇のエポカドーロの最終追い切りに騎乗しました。クラシック制覇の立役者です。

 「クセがなくて乗りやすいのが一番いいところです。いつも調教で時計を出そうと思えば出る馬です。1週前からの調教、当該週の調教と追い切りの目的を馬がしっかり理解し、競馬でもそれが反映されていたと思います」

 ―G1で3勝の名牝ストレイトガールの追い切りにも何回も乗っていました。

 「スピードがあるのはもちろんだけど、味わったことのない乗り味、感触で本当に素晴らしい馬でした」

 ―中央に移籍して今年で6年目です。振り返って。

 「覚悟はしていたんですけど、思ったようにいかなくて厳しいですよね。レースのことであったり、普段のことであったり。その総合というか本当にいろいろあります」

 ―最後にエンジェルフェイスで重賞初制覇への意気込みを聞かせてください。

 「中央で重賞を勝ったことがないので、勝ったことのあるジョッキーが言うようなコメントはできません。でも、重賞を勝ってもおかしくない馬に乗せてもらえます。そのチャンスを生かしたいです」(聞き手・内尾 篤嗣)

 ◆岡田 祥嗣(おかだ・よしつぐ) 1971年10月16日、広島県生まれ。46歳。地方の福山競馬から1991年7月に騎手デビュー。福山リーディングを4回獲得。9回目の受験でJRA騎手試験に合格。2013年に41歳の新人として中央デビュー。15日現在、中央地方通算2002勝。広島・盈進(えいしん)高校ではサッカー部のキャプテン。ポジションはミッドフィールダー。160センチ、50キロ。血液型A。特技はカラオケでプロ並みの美声。

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