死んだスペシャルウィークに手掛けた白井元調教師「ぽろぽろ泣いてしまった…」

スポーツ報知
98年6月の日本ダービーを制したスペシャルウィーク

 G1・4勝を挙げたスペシャルウィーク(牡23歳)の急死に、現役時代に管理した白井寿昭元調教師(73)は、「牧場の人から連絡をもらった時に、ぽろぽろ泣いてしまった」と涙を抑えきれなかった。

 初めて会ったのは、1995年5月2日に誕生した直後だった。「生まれたばかりだったけど、『すごいな』、『これはオーラが違うな』と。それで、連休明けにまた見せてもらいに行ったんだ」。生まれたてで、まだ足腰などがしっかりしていなかったが、素質を見抜いたという。

 98年のきさらぎ賞、報知杯弥生賞を連勝して挑んだ皐月賞は3着に敗れたが、頂上決戦の日本ダービーを5馬身差で圧勝。武豊騎手、白井調教師に初の栄冠をもたらした。「皐月賞は馬場のせいもあって負けて、(武)ユタカと『ダービーだけは取ろう』と言っていた。なかなか取れないタイトルを取らせてもらい、天皇賞、ジャパンCも勝つことができた」。4つのビッグタイトルをプレゼントしてくれた愛馬へ、感謝の思いを口にした。

 昨夏、北海道日高町の日高大洋牧場で再会したのが最後になった。「2年前は種牡馬を引退してしょんぼりしている感じだったが、だいぶ元気になっていた。今週が天皇賞・春ということで、(99年に)スペシャルウィークで勝ったなと、ちょうど思い出していたんだ。今年も会いに行こうとチケットを取っていたんだけど。お疲れさまと言いたい」。王道を走り抜けた現役時代、G1を6勝したブエナビスタなどを送り出した種牡馬時代を懐かしみ、労をねぎらった。

競馬

×