【京王杯SC】藤沢和厩舎ゆかりの血統馬ムーンクエイク、レコードで重賞初挑戦V

スポーツ報知
2頭の間を割ったムーンクエイク。レコード勝ちで安田記念の優先出走権を得た(奥は2着キャンベルジュニア、手前は3着サトノアレス)

◆第63回京王杯スプリングC・G2(5月12日・芝1400メートル、東京競馬場、良)

 1着馬に優先出走権が与えられる安田記念の前哨戦、第63回京王杯スプリングC・G2は12日、東京競馬場で行われ、4番人気のムーンクエイクがゴール寸前で頭差の差し切り勝ち。コースレコードで重賞初挑戦初制覇を飾った。勢いに乗って、春のマイル王決定戦へ駒を進める。

 藤沢和厩舎ゆかりの血統馬を、ルメールが巧みに導いた。3頭横並びのゴール前。真ん中から頭差出たのはムーンクエイクだ。2着キャンベルジュニア、3着サトノアレスまでタイム差なしの大激戦を制し、重賞初挑戦初制覇。従来のコースレコードを0秒1更新する1分19秒5で、安田記念の出走権をつかんだ。

 デビューから6勝すべてをもたらす鞍上は、「ごっつぁんです! 3頭併せで頑張ってくれた。時計が速い今の府中の馬場も向いた。楽しいレースだった!」と満面の笑み。豊富なスピードゆえ折り合いに課題を抱えていたが、7ハロンへの距離短縮で快勝。母リッチダンサーの子で厩舎の先輩、バウンスシャッセに続く重賞Vに「難しさのあった馬だけど、良かった」と藤沢和調教師もうなずいた。

 2歳王者で3着のサトノアレス、英国遠征プランもあった重賞2勝のタワーオブロンドンとともに「(安田記念は)3頭で行きます」と指揮官は明言。賞金ボーダーは流動的だが、実現すれば02年(トレジャー=7着、マグナーテン=8着、ゼンノエルシド=18着)以来2度目の3頭出しだ。タイキブリザード(97年)、タイキシャトル(98年)以来の王座奪還へ。春のマイル王決定戦は、藤沢和厩舎から目が離せない。(川上 大志)

 ◆藤沢和雄調教師 14年レッドスパーダ以来、歴代最多の通算7勝目。重賞は青葉賞(ゴーフォザサミット)に続く今年3勝目、通算107勝目。重賞は今回で通算999回目の出走。

 ◆ムーンクエイク 父アドマイヤムーン、母リッチダンサー(父ホーリング)。美浦・藤沢和雄厩舎所属のセン5歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算12戦6勝。総収得賞金は1億3665万7000円。重賞初勝利。馬主は(有)キャロットファーム。

 ◆石橋騎手(キャンベルジュニア=2着)「状態は前走より良かった。スタートはあまり出なかったが、外枠だったのでリカバーできた。直線はすごい加速だったが、勝ち馬はずっと真後ろにいたし、目標になったぶん。本当に状態が良かったから勝ちたかったが…」

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