【オークス】アーモンドアイ、完勝で春牝馬2冠!ルメール騎手、39歳誕生日に連覇達成!

スポーツ報知
圧倒的な強さで2冠に輝いたアーモンドアイ。どうだ!とばかりにルメールはポーズを決めた

◆第79回オークス・G1(20日・芝2400メートル、東京競馬場、良)

 第79回オークス・G1は20日、東京競馬場の芝2400メートルで争われ、断然1番人気の桜花賞馬アーモンドアイが6番手から直線で突き抜けて完勝。史上14頭目となる春の牝馬2冠を達成した。自身連覇のクリストフ・ルメール騎手(39)=栗東・フリー=は、84年のグレード制導入後初めて誕生日当日のG1制覇となった。2着は4番人気のリリーノーブル(川田)、2番人気の2歳女王ラッキーライラック(石橋)は3着に敗れた。

 6万5667人の観衆が目を見張った。前走を後方一気で制したアーモンドアイが、スタート直後に6番手につけた。「すごくいいスタートを切って、ちょっとびっくり。考えていませんでした」。ルメールも心の中で驚いたほどだったが、人馬はすぐに落ち着きを取り戻す。

 「2コーナーですごくリラックスできて、また自信が増した。向こう正面で馬の呼吸とリズムが完璧だった」。直線残り200メートル。道中マークしていたラッキーライラックをかわし、前のリリーノーブルも競り落とすと、2馬身差をつけて2冠目のゴールに飛び込んだ。

 12年ジェンティルドンナ以来、史上14頭目となる桜花賞&オークス制覇。ロードカナロア産駒で不安視されていた距離を克服しての完勝に映ったが、鞍上の感触は違った。「桜花賞の時は楽に勝ったけれど、今日は精いっぱいでした」。気温は21・3度でも強い日差しが降り注ぎ、レース前から腹は汗が白く固まっていた。「毛ヅヤがピカピカではなかった。暑かったのでテンションが上がっていた」。その影響で前めの位置になったが、「この間は後ろからすごい脚をつかったが、今日はいいポジションで同じ加速ができた」と期せずして自在性を証明した。

 ルメールは昨年のソウルスターリングに続き史上6人目の連覇を達成。おまけにこの日は39歳のバースデー。誕生日当日にG1を優勝した騎手は84年のグレード制導入後初めてで「G1を勝つ時はうれしいですが、もっともっとうれしい」と最高の笑顔を見せた。

 次に目指すは秋華賞(10月14日、京都)。史上5頭目となる牝馬3冠の可能性を聞かれたルメールは、興奮気味に言った。「桜花賞の後にも言ったように、トリプルクラウンを考えることができる馬。いけるかって? On the way to Triple Crown. Let’s go!」(石野 静香)

 ◆アーモンドアイ 父ロードカナロア、母フサイチパンドラ(父サンデーサイレンス)。美浦・国枝栄厩舎所属の牝3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算5戦4勝。総収得賞金は3億1341万9000円。主な勝ち鞍は桜花賞・G1(18年)、シンザン記念・G3(18年)。馬主は(有)シルクレーシング。

 ◆国枝調教師、アパパネ以来の偉業「安心だった」

 国枝調教師は、10年の牝馬3冠馬アパパネ以来となる春の牝馬2冠を達成。「アパパネの時は同着で写真判定が長くてやきもきしたが、今日は比較的ゆったり見ていられた」。レース後、人馬が検量室に戻ると「ハッピーバースデー!」と笑顔でルメールを出迎えた。

 6番手で運んだレースには驚いたという。スタート直後は行きたがる面も見せ、「装鞍所とパドックでは問題なかったが、スタート前の輪乗りで汗をかいて、エキサイトしていた。掛かり気味で心配したが、向こう正面で落ち着いて、なんとか大丈夫かなと思った。いつもより前だったので、ある意味、安心は安心だった」と冷静に振り返った。

 「無事に2冠を取れたので何とか秋華賞に行きたい」と国枝師。レースを挟むかどうかは馬の状態を見て決めるが、管理馬2頭目となる牝馬3冠は手に届くところにある。

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